猫とモトキ (ページ12)

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『おーモトキ、どうした？』

「！にゃー、にゃー、にゃー！」

『は…？猫…？』

「にゃー、にゃー！にゃぅ、にゃー！」

『え、えっ…なに、モトキー？』

「にゃー……、」

(やっぱり伝わらない…、どうしよ…)

『おーい猫ー？モトキどうしたー？』

「にゃー……、」

『…もしかしてなんかあった？』

「にゃー！」

そうだよって意味を込め力いっぱい鳴いた。

『モトキそこにいんのか？』

「にゃー」

『モトキ電話にでれる？』

「…………」

『……無言は肯定か…？』

「にゃー…」

『賢い猫だな…会話になってんじゃねぇか』

(シルクくん…！リーダー！早く気づいて…！)

『猫、今家か？』

「にゃー」

『……わかった、なんだかわからないけどとりあえず今から行く』

　

電子音がして、電話が切れたのが分かった。

来てくれる…！よかった…、これでなんとかなる…

一安心したのもつかの間。

大変な事に気がついた。

(あ…！鍵ないと入れないじゃない…！)

流石に届かないし、この手では鍵は開けられない…。

モトキくんがいつも鍵を置いてる所から鍵を咥え、なんとか窓を開けて外に出ると、ドアの前でシルクくんを待った。

「あ、猫だ」

「！」

気づくと、目の前には毎日のように動画で見ていたあのシルクロードが。

「にゃあぉ」

「さっきの、お前？…あ、鍵」

私が持ってきた鍵に気が付いてくれたシルクくんは、拾ってドアを開ける。

「良かった、入れなかったらどうしようかと思ったんだよ」

私の頭をぐしゃぐしゃと撫でてくれた。

　

　