ドイツ史(ざ);世界大戦 ページ47
「若き皇帝ヴィルヘルム2世は、ビスマルクが20年間で築き上げた平和的立場を全て崩してしまった。
ロシアと表立って対立したり、他の国の植民地に割り込んだり…
あとは最強の海軍を持っていたイギリスに対して船で挑発したりな。
この時の俺はアメリカと一緒に工業が飛躍していた頃で、なまじ調子に乗れる程度の実力を持ってしまっていたからな…」
「ドイツの船アピールはかなりウザかったぞ。俺も工業力をアメリカに抜かれて焦ってたしな」
「こんな行為をしていれば他の国から敵視されるのは当然だ。
俺を敵視したロシア・フランス・イギリスが結びついて、20世紀の頭には三国協商ができていた。
そして同盟国だったオーストリアから始まった第一次世界大戦に参戦して、俺は協商国と戦った。
何度も聞いている通り、俺たちは負けた。
それでも意地になっていたヴィルヘルム2世を見かねて民衆が革命を起こして、1918年にドイツは帝国から共和国に。
そしてこれまでの行いを世界に詫びて、戦勝国に莫大な賠償金を払うことになったんだ」
「お兄さんもアメリカに金返すのに必死でさ、ドイツに無理させちゃったんだよね」
「私ももれなく敗戦国となったので、協商国との条約でハンガリーが私の家から出ていきました。
500年間続いたハプスブルク家の権力もここで終了です」
「独立してすぐに、私も敗戦国として領土を大幅に削られてしまったの。
それで困り果てて、ハンガリーは独裁に走っていくのよ」
「ドイツ共和国は、賠償金と世界恐慌で経済が大混乱してしまってな。
そこに1人の絶大な指導力を持つ独裁者が現れた。
経済を立て直して民衆の支持を得て、オーストリアも併合して、周りの国を侵略して…
共感を得た日本・イタリアと三国枢軸を結成して、第二次世界大戦を始めた。
だが結局1945年にその独裁者は自ら命を絶った。そして俺は連合軍に降伏して、再び敗戦国になったんだ」
「敗戦後はアメリカとロシアの争いに巻き込まれて、私とドイツは東と西に分割されてしまいました」
「長いこと分割されていたな…。二度と大戦期のようなドイツが復活しないようにと、国土だけじゃなく首都のベルリンまで東西に分けられた。わざわざ壁まで造られてな。
2人の冷戦が終わって東西が再びひとつになったのは、敗戦から45年も経った1990年だ。
それ以降、俺は決して過去の過ちを繰り返さないようにと…平和を胸に刻んで、今はヨーロッパ連合の中心として活動している」
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世界史選択(プロフ) - モブキャラAさん» ぎゃーありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです!分からない所があったらいくらでも質問してくださいね(*´▽`*) (2022年12月5日 18時) (レス) @page20 id: acebb39c83 (このIDを非表示/違反報告)
モブキャラA - すごくわかりやすいです!!!こんな小説探してました……!!素敵な作品をありがとうございます……😇 (2022年12月5日 17時) (レス) @page35 id: cebb1c38ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:世界史選択 | 作成日時:2022年11月20日 0時