ドイツ史(ざ);ビスマルク ページ46
『‘鉄と血による統一’…?』
「要するに戦争だ。会議じゃさっぱり決まらなかったから、戦って統一することにしたんだ」
…やっぱり根本的に思考回路が違うんだ…と思ったが、同じ状況を経験しないと分からないこともある。
「まず、俺とオーストリアどっちが統一のリーダーになるか。これが問題だったんだ。
当然ビスマルクは自分の国…つまり俺をリーダーにしたいよな。
そこであいつは『オーストリアを圧倒的な差でボコボコにしよう!』と考えた。
一旦協力してデンマークをボコして、その間にオーストリアの軍事情報をすっぱ抜いた後、オーストリアに戦争をふっかけたんだ。俺は嘘の軍事情報をこいつに教えてな。
もちろんそんな状態じゃ俺が圧勝だ。
この普墺戦争の結果、ドイツ連邦は解体。オーストリアを省いて俺様をリーダーとする“北ドイツ連邦”ーー後のドイツ帝国ができた。
これでドイツ統一はほぼ完成だ」
「私は北ドイツ連邦とは別に、ハンガリーとの二重帝国を建国しました」
「オーストリアさんは私が守るって、その時決めたのよ」
「後は国として資源豊かな場所を確保しておきたかったから、フランスとの間にあった“アルザス・ロレーヌ”をこっちのもんにするために、フランスの悪い噂を流しまくって“普仏戦争”を始めた。
これも俺様が勝って、1871年。ついにあいつんちのヴェルサイユ宮殿で『ドイツ帝国』初代皇帝の戴冠式を開いたんだぜ」
「あれはほんっとに悔しくてねぇ。あの時の恨みを晴らした話は後でAにじっくり教えてあげるからな♡」
「…やっと俺が話をできるな。兄さん、ご苦労だった。ここからの‘ドイツ’の話は俺がする」
「おう、じゃ小鳥のようにカッコいいお兄様は帰るからな。A、またな!」
あ、あの人は本当にただ悩めるドイツさんを助けに来ただけだったのか…。
「さて。待たせたな、A。俺の誕生は随分遅かっただろう」
『まさかアメリカさんより100年も後だとは思いませんでした』
「少々特殊な成り立ちではあるがな。
ともかく統一後のビスマルクは、統一までに散々周りを殴った分、更なる戦争は絶対に起こしたくなかったんだ。
だからフランス以外のどんな国とも同盟関係や友好関係を築いた」
「対して私はバルカン半島に進出し、ロシアと対立しました。あの頃はどこか歯止めが効かなくなっていましたね…」
「そうだな。そしてドイツでも、1890年にビスマルクを追放した若い皇帝が暴れ出してしまうんだ」
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世界史選択(プロフ) - モブキャラAさん» ぎゃーありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです!分からない所があったらいくらでも質問してくださいね(*´▽`*) (2022年12月5日 18時) (レス) @page20 id: acebb39c83 (このIDを非表示/違反報告)
モブキャラA - すごくわかりやすいです!!!こんな小説探してました……!!素敵な作品をありがとうございます……😇 (2022年12月5日 17時) (レス) @page35 id: cebb1c38ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:世界史選択 | 作成日時:2022年11月20日 0時