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wonder.06 ページ9

するとレミシアは怪訝そうに聞く。


「見る、とは…」
「私達の戦いだよ」


《戦い》

(時折違和感さえ覚えるこの平和な世界でそんな愚行をするの…?)



少女は信じられないといった表情をして目上のスカルを見つめるが当人は妖しく微笑みを溢すばかり。
これ以上聞いても何も出てこなそう、と諦めが付いたレミシアはゆっくりと口を開いた。


「珈琲、御代わり煎りますか」
「うん、よろしくねぇ」

コトリ、と耳に心地好い音を立てた空になったカップに熱い珈琲を淹れる。
瞬く間に広がる湯気と珈琲豆の良い香り。


レミシアは疑問を心の隅に追いやりながら、珈琲に映ったユラユラした自分の姿を見つめるのであった…








.







.






.




.



.



パチン、と指を鳴らす音と共にとある少女が目の前に現れる。
長い銀髪、黒と白であしらったヘッドドレス、全身を包むゴスロリファッションと真っ白なパニエ。ヒールの付いた革靴が音を立てるのが心地好い。

そして伏し目がちの長く濃い睫から覗くのは光の無い紅い目。


彼女は何一つとして欠落の無い完璧な"人形"だ。

シヴァは心底改めて思い直した。この世界に相応しい、だが役者としては__の少女。


「童を此処に呼び出したのは…やはりそなたか。」
「うん。よく来てくれたね、ALICE。」


それが彼女のコードネーム。
そう呼ばれた少女は深いため息をつく。


「童の名はミラーフォース。会った時にいつも"仮の名"で呼ぶ癖はいい加減直すべきじゃ」


見た目に反した口調で淡々と言い放つ少女はミラーフォースと名乗る。
だがそんな事もまるで気にしないシヴァは座っていた椅子から音一つ立てずに立ち上がる。


そして一歩を踏み出した途端…彼はもうミラーフォースの目の前に笑顔で立っていた。彼女は何度もこの塔を訪れているため流石に慣れたらしい、動揺処か微動だにしない。


そんな彼女を見てシヴァは内心つまらないと思いながらもまずは本題と思いその形の良い口を開く。


「"あの話"…知ってるよね?」
「あんな愚行を行うのはそなたのみだ…。他の"黒アルカナ"も知っておるのだろう」
「うん。話が早くて助かるよー!流石は僕と歳が近いだけあるね」
「その口を二度と開かぬようにしてやろうか」


脅すような声の音色にも彼はぴくりとも動かずに…

「それは困るなぁ」

満面の笑顔で言うのであった…

wonder.07→←ありがとうございます!


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干しブドウ(プロフ) - *Noah*さん» ありがとうございます。本当にすみません。 遅くなりましたが、続編おめでとうございます! (2013年9月5日 6時) (レス) id: f90a39998a (このIDを非表示/違反報告)
新月 - レオナルドwwwwどう見ても変態ですどうもありがとうございましたwwww (2013年9月1日 20時) (レス) id: f28c9b2fce (このIDを非表示/違反報告)
*Noah*(プロフ) - 干しブドウさん» こちらこそキャラをありがとうございます! いえいえ、その方が個性などもあって良い思いますよ!頑張りますねo(`^´*) (2013年8月31日 19時) (携帯から) (レス) id: d37f8ae8d8 (このIDを非表示/違反報告)
干しブドウ(プロフ) - ヴァイオレットを出していただき、ありがとうございます。 よく考えると、黒アルカナのくせに、アルカナのエースにまったく似てなくて、ごめんなさいm(_ _)m もっとよく考えるべきでした…。 更新頑張ってください! (2013年8月31日 16時) (レス) id: f90a39998a (このIDを非表示/違反報告)
*Noah*(プロフ) - 大殿さん» あげてみたくなりました(笑) 泣いちゃいましたか!?(゚Д゚) ありがとうございます、頑張りますね! (2013年8月27日 17時) (携帯から) (レス) id: d37f8ae8d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*Noah* | 作成日時:2013年7月28日 23時

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