【企画】ワンダー・ワールド【始動】

wonder.03 ページ5

「対になる存在だと…？」
「そうだよ｣


蓮玖の問いかけにシヴァは彼らの前に見せ付けるように右手を翳した。その右手が四本の指を立てていた。
妖しい笑みを浮かべながらシヴァは話し出す。


「簡潔に言えば堕天したんだよ。君達と同じアルカナを持つ四人がね、"黒く"なったの」
「意味が分からないんだけど？」
「えー、黒くなるって分かんない？」
「もう少しまとめて話せないか？」


駄々を捏ねる彼にスカルが文句を言いシルビアが頼めば彼は更に笑顔になる。この反応を待っていたかのように。
レイウァールは早く終わらせたいのかただ黙り彼を見つめ、蓮玖は腕組みをしながら見つめていた。

(そう、僕はこんな役者を待ってた)


心の中で静かに思うとゆっくりと三日月型のような口を開く。


「狂ったアルカナの事だよ、黒アルカナって言うの。彼等は世界を憎んだり我が物にしようとしたりしてるんだよ」
「…世界を、ですか」
「そうだよ」


レイウァールは白いコートを揺らしながらシヴァへと少し歩み寄り口を開く。それは半信半疑の口調だった。
他の者達も半信半疑の雰囲気が流れている。


だがその状態でもシヴァは遠慮を知らないようで。


「だから...彼等を止めることが試練だよ。世界(ﾎﾞｸ)自ら造り上げたんだから」
「貴様...その意を理解しているのか」
「さぁ、どうだろうね」


これが遊戯であることは誰もが気づいていた。



必要なのはただ一つだけ。



…―生きたいのならば。


アルカナを手にしてしまったのなら。



―――答えは実に簡単だ。


そうだよ、戦えばいいの。









.







.






.







.






「……世界もアルカナも彼女も何もかも…全部、俺のものになるんだ。」

―そして勝てばいいのだから。

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