TOKYO MER【彼らの恋愛模様】

震えて ページ34

『喜多見チーフ！』




「Aさん！？」




医療用テントまで全力疾走。大翔君をゆっくりと降ろし、再度現場に向かおうとすると




『半壊した家屋から救出、まだ取り残されてる人がいると思うので、行ってきます…！』




パシッ、と自分の何倍もある大きな手で止められる




「Aさんそんなに雨に打たれたら、風邪引きますよ？！ましてや半袖で…！」





ギュッと手を掴む力が強くなる





『行かなきゃ、助からない命があります』





「！！！」





『だから、行かせてください…救出は任せて』





「必ず、無事で帰ってきてください…もう、あんな思いは二度と御免ですから」





『了解、喜多見チーフ』





自分の危機にすぐ側迄近寄っていたというのに





『(行ってきます…！)』






「(さぁ、こっからよ、及川A)」









・








・






Aが走り去って行った後を1人の女性が追いかけて行った




「…」





ジー、とAの後ろ姿を見ていたMERのメンバーが不思議そうに声を掛ける





「喜多見チーフ？」





「あ、いえ…あの女性初めて見たな…って思って」





「確かに、初めて見ますね」





「新しく入ったんですかね？」





「(凄い胸騒ぎがする…あの時と同じ_____)」





喜多見の勘は、悪くも当たる事となる








・







・







『誰かいますか！？』





再度現場の確認を行っていると






「及川さんッ！彼処に瓦礫に挟まってる人が…！」





『！！！』





その場所について行くと斜面下に瓦礫に挟まれ、"人影"の様なものが見えた





「ッ…！！』




正しく、絶壁…落ちたらひとたまりも無い



　

「なーんて……嘘だよ！！」






ドンッと背中に衝撃が走り、そのまま斜面を滑り落ちてしまった

予感は　喜多見said→←土砂

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