TOKYO MER【彼らの恋愛模様】

急転直下　喜多見said ページ16

喜多見said



トリアージを終え、まだ救助者がいないのか確認する為に千住さんのところに向かう





「及川…？！及川、何があった！！」





無線に向かって、必死に声をかける千住さんに何故か冷や汗が止まらなかった





「千住さん」





「喜多見か…」






「Aさんに何か…あったんですか？」






千住さんの答えを聞くまで自分の心臓の音が周りに聞こえてるんじゃないかと思うくらい鳴っていた








「犯人に撃たれた可能性が高い」






「！！！」





Aさんが、撃たれた…？






ガッ、と千住さんの胸元に付いているトランシーバーを掴み、必死に名を呼ぶ





「喜多見…！！」






「向かいますから！Aさん！今、どのあたりですか！？」






『エスカレーターの、前…に…いま……死ぬの、かな……』





"死ぬのかな"。彼女ははっきりとそう言った





「「！！！」」





「…！！Aさん、貴方らしくないですね。俺が、俺達が諦めませんよ」





諦めたりしない。絶対に_______





脳裏に掠める彼女の笑顔





『喜多見チーフ！お疲れ様でした！』






喜怒哀楽が激しく、過酷な現場に行き、救助者を救出する






『危なっ！喜多見さん危ない！』






自分の命が危険に晒されようとも。彼女は、Aさんはそういう人なんだ






『もー、服びしょびしょ…』






今ここで、失っていい命じゃ無い。Aさんは






「千住さん」






いつか、必ず。貴方が俺の隣で、一生笑って貰えるように







「あぁ」






「助けましょう」







救うんだ、Aさんを…






「当たり前だ」






エマージェンシーバックを背負い、Aさんがいる場所に走った____







喜多見said END

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