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滅多に目にすることのない拳銃を片手に持ち、
高ぶる感情を我慢しながら綺麗なベッドに寝転んだ。
手触りも色も、見た所偽物ではないようだ。
「ふ…ｯ、はは…!まじかよ!?
こんな簡単に手に入るとか…、はははｯ!!」
生きている中でも、
本物の銃を持ったことのある人間なんて左程いないだろう。
予想以上のことに、俺は堪えきれず笑いを溢した。
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教師と言うのは、結構バカな生き物なのかもしれない。
見ず知らずの人間に、
生徒のためと言えどこんな物を用意する奴は狂っている。
こんな物を要求されれば、逆に心配するのが当たり前だろうに。
「わ、弾まで入ってる。撃たれたら死んじゃうよなァ…ｯ!!」
ゾクゾクして身体が身震いを始めた。
銃を持つ腕が震えるも、
しっかりと注意して間違っても撃たないように気を付ける。
．
「…烏間も、撃ったら死ぬのかなァ…」
「当たり前です、彼も人間ですから」
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―――あ?
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「―――ｯ!?」
気づけば、いつの間にかこいつは隣にいた。
微かな音も気配すらも感じないまま、
奪われた銃を持つ黄色い触手を視界に入れて、初めてその存在に気付いた。
驚いてベッドから飛び起きるように上半身を起こせば、
目の前には3m弱はあるであろう謎の黄色い生物がニヤニヤとこっちを見ている。
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この顔は、手配書の―――…
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「…ああ、アンタが噂の“殺せんせー”、ってやつ…?」
俺の問いかけに、
目の前のタコは笑顔のまま俺の持っていた銃を触手で弄んだ。
「いかにも。
よろしくお願いします、稲葉先生」
．
あまり“よろしく”はしたくないな、なんて静かに思った。
これが、
俺と殺せんせーのは初対面の現場になる―――。
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作者名：琉亜 | 作成日時：2018年9月10日 14時
