【安室透／降谷零】結婚しよ【男主】

第十七話降谷side ページ18

家に着き、部屋のベッドに寝転がった俺は、未だに驚きを隠せないでいた。

(まさかコナン君が、消えた工藤新一だとは…)

そもそもその情報は本当か？

いや、あいつの腕は確かだ。嘘とは言い辛い。

アイツは無駄な嘘はつかない。そして不確かなことも俺に言わない。

そういうヤツだ。

「…」

唇に先程の感触が蘇る。

(『…でも気持ちよかったでしょ？』か…)

「…」

気持ち悪かったわけではなかった。

(気持ちよかった………とか思ってないからな)

バーボンとして、ハニトラはしたことある。

あそこまでしたことはないが…。

…なんであそこまでしたんだ、俺は。

別にあそこまでする必要はなかったはず。

アイツのことだ、わざわざキスまでしなくても、ちょっと色仕掛けでもすれば…。

…。

なんだか無性にイライラしてきた。

そもそもなんで俺はアイツにキスしたんだ！

別に好きでもないのに！

確かにアイツの顔は整っているが！

庁内でもアイツは高身長で顔が整っていて声がよくて髪も綺麗で性格もいいって言われてるが！！

俺は！！！別に！！！アイツはただの部下で！！！！

部下になんてことしてんだ俺は…いやせがまれたことだが。

……なにを言い訳をしてるんだ俺は。

一旦落ち着こう。

今日のアレは『バーボン』がしたことで、『降谷零』がしたことじゃない。

そうだ。『降谷零』じゃない。

だから普通に明日からも仕事を頼めばいいし、なんか言ってきたらいつも通り適当にあしらえばいい。

そう、いつも通りでいいのだ。

何も気にする必要はない。

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