Workaholic【桃】

037-Colon side ページ38

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Colon side



今日は取引先の人が初めて新オフィスに来ることになっていて、なーくんは張り切って自らデリバリーを注文したりしている。



今回のイベントを担当するAちゃんはおそらく僕やなーくんと同じくらいの歳だろうけど、しっかりしていて仕事ができる女の人って感じ｡



何回かの打ち合わせの様子を見ていると、なーくんはかなりこのAちゃんのことがお気に入りのようだ。



今日も朝からテンション高いしね｡



確かに美人だし話し方も丁寧だけど、ちょっと真面目すぎるかな。



でもなーくんにはそんなところがいいんだろうね｡



Aちゃんが持ってきてくれた手土産の箱を開けると、色とりどりのフルーツを使ったタルトが入っていた。



「ここから割と近いお店なんですけど、グルテンフリーで砂糖やバターも使っていないので低カロリーなんです。
これなら節制しているさとみさんも食べられるかなと思って」



なんて説明してるけどグルテンフリーってなんだっけ。



たしか小麦粉とか使ってないんだっけ。



よく分からないけど、さとみくんが食べ物に気をつかっているのを知ってこれを選んできたんだろうね。



こういう気遣いができるところも、なーくんがこの人を気に入っている理由の一つなんだろうな。



これはさとみくんも嬉しいんじゃないかなと思って見たら、なぜか黙ってAちゃんを見つめている。



Aちゃんも意味がわからないみたいで戸惑っている。



「さとみくん？ どうしたの？」



僕がそう尋ねたら、Aちゃんが何かに気づいた顔をした。


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