026-呼び名の話 ページ27
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喫茶店から最寄り駅までさとみさんと並んで歩く。
「そういえば俺もAちゃんに一つ言いたいことがあったんだ」
そう言われてドキッとする。
もしかして私なにかやらかした？ 苦情だったらどうしよう。
「はい！ なんでも言ってください。 出来る限り改善しますので」
思わず立ち止まって言ったら、さとみさんは一瞬きょとんとしたあと吹き出した。
今日はよく笑われる日だな……。
「そんなかしこまらなくてもいいって。
ああ、でも改善と言えばそうだな。 なおしてほしいことがあるんだよね」
やっぱり知らず知らずのうちに、不快なことをしてしまったのかも。
ドキドキしながら次の言葉を待つ。
「俺がAちゃんを名前で呼んでるのに、さん付けされるの嫌なんだよね」
「は？」
思いがけない言葉に一瞬タメ口になってしまった。
「さん付けって慣れないから他の呼び方にしてよ。
君でも呼び捨てでもいいからさ」
「いやいやいやいや」
胸の前で両手をブンブンと振る。
「無理です！ だめです！」
そう言ってもさとみさんは引いてくれない。
「俺がいいって言ってるんだからいいの。 ほら、練習してみて」
「無理です。 さとみさんはお客様ですから！」
「無理じゃない、ほら」
なんて押し問答を繰り返す。
「遠慮しすぎる方が失礼なこともあるんだよ」
最終的にさとみさんのその一言に負けてしまった。
「はい。 練習してみて」
「うう……」
なにこれ、めちゃくちゃ緊張する。
チラッと顔を見ると待ち構えた表情のさとみさん。
これ呼ぶまで帰らせてもらえないやつだ。
「さとみ……くん」
さすがに呼び捨ては無理だと、最大の妥協点。
ドキドキしながら名前を呼んだら、ふわっと頭に優しい感触。
頭を撫でられていると気がついた瞬間、一気に顔が赤くなったのが自分でも分かった。
「よく出来ました」
なんて言うからもう一度さとみくんを見たら、超ニヤニヤしていた。
私がななもりさんに子供扱いされてるかもって気にしていたの分かっていてわざと頭撫でてきたんだ。
すっかりさとみくんのペースに振り回されて悔しいのに、ドキドキがとまらなかった。
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白星(プロフ) - namoさん» namo様 コメントありがとうございます。私もnamo様の作品読ませていただいているのでコメント頂けてとっても驚きました。なかなか進展のない2人ですがまた読んでいただけたら嬉しいです！ (2022年1月27日 10時) (
レス) id: c8319660f5 (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - こんな少しもどかしくて現実的な恋愛小説大好きで更新楽しみに待ってます；；これからも密かに応援させて頂きます,頑張ってください…!! (2022年1月27日 2時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
白星(プロフ) - あまねさん» あまね様 いつもコメントありがとうございます💕もう少しで初デート編です。もしよかったら『雲シート』で画像検索してみてください。イメージがわきやすいと思います😊更新がんばります！ (2022年1月24日 21時) (レス) id: c8319660f5 (このIDを非表示/違反報告)
あまね - 何故か想像できてしまう、さとみくんの行動にニヤニヤしてます(*´ω｀*)プラネタリウム…行ったことがないので、是非行きたい！！！これからはデートだったりして…？更新待ってます(o・ω・o) (2022年1月24日 21時) (レス) id: 85362d7a8a (このIDを非表示/違反報告)
白星(プロフ) - Alutoさん» Aluto様 コメントありがとうございます。自分で書いていると全然わからないので、かっこいいと言っていただけてすっごく嬉しいです！ありがとうございました💕 (2022年1月22日 15時) (レス) id: c8319660f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白星 | 作成日時：2022年1月5日 12時
