【テニプリ】財前くん、あのね＿。 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:658 hit

3 ページ4

それから特別会話も無く1ヶ月が過ぎた

授業中ぼんやり財前くんの後ろ姿を見てピアスの多さが改めて気になった

右に2個、左に3個あけている

私も開けたいなと思ったが自分じゃ怖いし頼める人もいないから諦めた

今は6時間目で外からはもう帰り初めている小学生の声が聞こえる

ぼけーとしてる間に6時間目が終わり帰りのHRが始まった

──────

『さよなら』

天文部の部室の扉を閉めすっかりオレンジに染ってる廊下を歩く

廊下は静かで外からは運動部の声が聞こえる

『そういえば財前くんってテニス部なのかな』

前行きに財前くんを見かけたときにテニスバックを持っていたのを覚えていた

『図書室って確か窓からテニスコート見えたよね…』

図書室に入り窓を覗くとテニスコートの中が綺麗に見え財前くんを見つけることが出来た

幸いなことに図書室は6時半までは開いてる

天文系の本を取り窓際の席に座る

読みたかった本も読めるしテニスしてる財前くんも見れる、一石二鳥だ

そんなことを考えながらページをめくり始めた

『あ、もう6時半になっちゃう…』

なんだかんだ言って本に夢中になってしまった

本を戻し荷物をまとめながらテニスコートを見る

『あ、なんか集まってる』

ミーティングをしているのか部員が集まっていた

後ろの方でつまらなそうに話を聞いてる財前くんに少し頬が緩む

じっとテニスコートを見てると財前くんと目が合った

『えっ、！』

びっくりしたが目を逸らせずに見つめあっていたら財前くんが口を開いた

「はよかえれや」

そう言ったように見え私は大きく頭を縦に揺らし返事をした

『いまかえるとこ』

そう言いバックを持った

伝わったかどうか分からなかったけど気付いてくれたことが嬉しくて私はテンションが上がっていた