リーダーの不安 ページ21
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SC side
なんでも出来るA。
踊りなんて未経験で入ってきた頃から凄く上手かったし、ボーカルのセンスもあればラッパーとしてのセンスもある。
そんな彼は一応ヒップホップチームということになっているが曲によってはメインボーカル並みに歌うことだってあるから、たまに本当にヒップホップチームか疑問に思う時がある。
この間だってインスタに歌っている動画を載っけてたし...。
「ヒョン、暗い顔してるけどどうしました？なんか辛いことでもありました？」
SC「Aはさ、ヒップホップチームよりボーカルチームに行きたかったって思ったことある？」
俺がそう聞くと少しの間が空いて笑いだした。
今のはどこに笑うポイントがあったんだろう...？
余程面白かったのか数分間お腹を抱えて笑っているA。
一息付いたのか「ごめん、ごめん(笑)」なんて深呼吸をして話し始めた。
「何を思ってその疑問が出てきたか分からないけど、俺はボーカルチームに移りたいって思ったことは一度も無いよ。」
「最初は何でって思ってたけど(苦笑)」なんて言うA。
確かにそうだよね。
元はボーカルポジションで練習生をしたAをヒップホップチームに入れたのは紛れもなく俺だし。
申し訳無いことをしたなとは俺も思ってるよ...。
「でもさ、俺ヒップホップチームに入って色んなジャンルを知ることが出来て嬉しかったんだ。挑戦したことのなかったラップも出来たし、凄く嬉しかった。だからさ、申し訳無いとかそんなこと思わなくていいからね。」
SC「俺は最高の弟を持ったな。改めてヒップホップチームに来てくれてありがとう。」
「これからも宜しくお願いします。」
SC「こちらこそ。」
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作者名：夏 x他1人 | 作成日時：2020年4月9日 17時
