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中学生の頃、
1度だけ先輩と言葉を交わしたことがある。
偶然先輩の友達さんが先輩を笑いながら押して、
それによろけた先輩が私にぶつかった時。
先輩は申し訳なさそうな顔で
「わるい、」
って謝って転んだ私の手を掴んでくれた。
あれが後にも先にも
初めての会話で初めての接触だった。
あの時の私は顔が真っ赤で、
きっと転んだことより先輩に触れたことが嬉しくてしかたなかったはずだ。
先輩のお友達さんに心の中で何度お礼を言ったか。
そんなことを思い出しながら、先輩が袋に商品を詰める手元を見つめる。
やっぱり、綺麗な手だなぁ…。
あれ、私気持ち悪い。
「1000円お預かりします」
今日も、
「ありがとうございました」
終わってしまった。
先輩と世間話できる仲でもないただの客の私が、
先輩を見つめられるのは商品を選ぶ(フリ)時間を合わせても10分ちょっと。
この短い時間は私にとって世界で一番好きな時間だ。
だからこそ、何があってもこの時は優先しなきゃいけないのだ。
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のあ - 第1章お疲れ様です。可愛くていつも続きが気になってソワソワしています(笑)これからも応援しています♡ (2021年11月9日 22時) (レス) @page49 id: 625f9eab89 (このIDを非表示/違反報告)
Luu.(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しい限りです。これからも是非ご覧になってください(ᐡ ̥_ ̫ _ ̥ᐡ) (2021年10月5日 20時) (レス) id: 93ea43e5d7 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 続きが気になります!これからも更新楽しみにしているので、頑張ってください♡ (2021年10月4日 2時) (レス) @page29 id: 625f9eab89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Luu. | 作成日時:2021年9月14日 11時