貴方だけ。

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｢あ、Aじゃん｣
｢ジョンハン先輩｣

スニョン先輩と話していると奥の扉からジョンハン先輩が出てきてすぐ声をかけてくれる。
ジョンハン先輩とはもう随分話しやすくなったものだ。

｢遅かったな、来んの｣
｢実行委員会で仕方なく……｣
｢なんでそんな大変な委員会選ぶんだよ｣
｢サボり魔ジョンハン先輩には考えられないですね｣

せかせかと仕事をするジョンハン先輩を想像してくすくすと笑うと、先輩はうるせぇなんて言いながらも笑っている。
そんな時に重々しく口を開いたのはスニョン先輩だった。

｢……ねぇ、やっぱり2人、付き合ってるよね？｣
｢え？｣
｢だっておかしいでしょ、距離感！
普通にカップルの距離感だよ！｣

｢まさか、ジョンハン先輩なんかとお付き合いできる様な人間ではありません！｣

まさかまさか、私のようなそこら辺にいる一般女性とジョンハン先輩がお付き合いしていいはずがない。
第1一緒に登校しただけで文句を言われてしまう私が付き合えるはずもない。
そう慌てて否定する私をまだ疑いの目で見るスニョン先輩に
今度はジョンハン先輩が返答をする。

｢別にこいつが俺に相応しいとか相応しくないとか思わねぇけどさ。

こいつ、好きなやついるから｣


フォローを期待していたのに、
ジョンハン先輩がこぼしたのはそんな言葉で。

｢え？ちょ、ジョンハン先輩？｣
｢本当のことじゃん｣
｢それはっ、あの時あまりにも先輩からジョンハン先輩のことで問い詰められたからつい口から出た言葉で、ほ、本当じゃありません！｣

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