5 ページ5
「いらっしゃいませ」
その声が聞こえた時、ドクドクっと心臓が早まった。目線は下に向けていてもわかる。
私が間違えるはずなんてない。
その綺麗な声は、ジフン先輩だ。
痛いくらいに揺れる心臓に手を当てて、何とか落ち着かせる。
まだ先輩を見る勇気は出ていない。
私はそっと歩き出して、商品を見るふりをしながら先輩を見るチャンスを伺った。
どれにしようかな、なんて効果のないような独り言を呟きながらも、いざ先輩を見ようと思ってもやっぱり寸前で目線を戻してしまう。
あぁ、あの時好きだったジフン先輩が今ここにいる。
いや、“だった”じゃない。
今も“好き”な先輩。
自分に自信をなくして途中で諦めてしまったけれどやっぱり今でも大好きなんだ。
だからこそ緊張するし、あの時よりかっこよくなっていたらきっと心臓は持たない。
でも早くみたい。
そんな葛藤が続いてなかなか先輩を見れずに、1人でずっとお菓子コーナーに立つ私。
その時。
「ジフン、スナックコーナー補充頼んでいい?」
店の奥から小さくだけれどそんな声が聞こえて、それに
「……分かりました」
と応える先輩の声もしっかり聞こえて。
え?今スナックコーナーって言った?
それはまさに、私がたっている場所で。
早くどこか違うところに行かないと。
すんでのところで何とか隣のコーナーに移ったが、慌てたせいかなんなのか。
私は先輩の姿を目に入れてしまった。
________あ。
心臓がいけない音を出した。
今でもはっきり覚えてる。
初めてジフン先輩を見た時の事。
まるであの時のような感覚が私を駆け巡った。
129人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のあ - 第1章お疲れ様です。可愛くていつも続きが気になってソワソワしています(笑)これからも応援しています♡ (2021年11月9日 22時) (レス) @page49 id: 625f9eab89 (このIDを非表示/違反報告)
Luu.(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しい限りです。これからも是非ご覧になってください(ᐡ ̥_ ̫ _ ̥ᐡ) (2021年10月5日 20時) (レス) id: 93ea43e5d7 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 続きが気になります!これからも更新楽しみにしているので、頑張ってください♡ (2021年10月4日 2時) (レス) @page29 id: 625f9eab89 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Luu. | 作成日時:2021年9月14日 11時