貴方だけ。

29 ページ29

そうだと思い出して私はジョンハン先輩からジフン先輩たちの方向へ目線を切りかえた。
…その途端、思いっきり3人と目が合ってしまったのだ。


え…？なんで目が合った？
というかなんでこっちを見て…ってあれ？
あの顔やっぱり見覚えがある。

…も、もしかして……。


「…ジュン先輩とウォヌ先輩…」

そう、ジュン先輩とウォヌ先輩。
それは中学生の時にとてつもなくもてた先輩たちの名前だ。


いつもニコニコして天然
それでいてビジュアルが最高峰のジュン先輩。

無表情クールかと思いきやたまに見せる笑顔が
かっこいいと人気のあったウォヌ先輩。

2人は共々ジフン先輩とスニョン先輩の友達で
私がジフン先輩を見ていた時はほとんどこの4人で行動していた。

問題はその2人とジフン先輩が私を見ていて
今この瞬間目が合っているということ。


「…じょ、ジョンハン先輩…？」
「なに」
「なんか、あちらの方々が先輩のことを凝視してます…」
「いや、どう見ても俺じゃないだろ」

そう言ってジョンハン先輩は私を指さして

「お前だろ
あいつらが見てるのはお前」

とはっきり言った。


指さすのいけないんですよ、なんて言う程の余裕もなくて。
どうして3人が私を見てるのかも分からないまま時間が過ぎていく。

そんな中最初に声を発したのはジュン先輩だった。

30→←28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す