こっちを向いてよ、その心：ザ・マミィ 林田洋平 ページ14
「きゃ〜！洋平君、飯塚さんだよ！」
「知ってるよ、だって僕も出てるんだもん」
「凄いよ、洋平君！飯塚さんと一緒にお仕事出来るなんて！」
僕の彼女、Aは根っからのお笑いオタク。
特にAは飯塚さんの事が大好きで、飯塚さんが出演してる番組は必ず予約して、それでもってリアルタイムで観るらしい。
少し変わった子だよ。
今日はアメトーークの東京03飯塚大好き芸人を一緒に見ようとAの方から誘ってきた。
僕は芸人仲間と同居してるからもちろん観るのは彼女の家。
「あ〜、カッコいいな。完璧だしっ！ふふっ」
体を揺らしながらAがそう言う。
声のトーンがいつもより一段高くなってる気がする。
さっきからずっとこんな調子で、カッコいいだの、大好きだのとにかくテンションが上がってる。
彼氏の前で堂々と言うかね。
「あっ！プロポーズの返事だ！私このネタ大好きなんだよね〜」
頬を緩ませながら満面の笑みで僕の方を向くA。
それに対して、
「そうだね、僕も好き」
口ではそう言うけど、内心はなんか複雑。
僕のネタ見てる時よりよっぽど生き生きしてるじゃん。
僕の事、本当に好きなのかな？
「あぁ〜、飯塚さんに会いたいなぁ」
胸の前で手まで組んじゃって、僕はいっつもAの側にいるのに。
……悔しい。
僕は側にあったリモコンを取るとテレビの画面を消した。
「あっ！ちょっと、洋平君！付けて付けて！」
「ヤダ」
「なんで？リモコン貸して！」
まるで子供みたいに喚くAの肩を僕は掴んだ。
「洋平、君？」
「僕じゃダメ？」
「え？」
「僕はAの事が好きだ、それなのに……」
言葉が詰まる。
そんな僕を見て、Aはニヤッと笑った。
「はは〜ん、さては洋平君、嫉妬してるな？」
「嫉妬なんかしてないよ」
「嘘つけ」
「……別にどうだっていいだろ」
「良くない」
「なんで」
「だって……洋平君が嫉妬してくれるの嬉しいもん。私ってこんなに愛されてるんだなぁって思うんだもん」
そう言ったAの顔はほんのり赤く染まっていて。
「あんま見ないでよ……」
「A〜！」
僕はそのまま彼女を倒すような形で抱きしめた。
「ちょっ、洋平君！」
「やっぱAかわいい」
「なに急に」
「別に？」
「もう……バカ」
Aはそう言ったけど、口元が緩んでたの僕はちゃんと見たからね。
「……大好きだよ、洋平君」
Aが僕の耳元で微かにそう言った。
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ミサキ - リクエストいいですか？インポッシブルのえいじさんでお願いします！ (2021年8月17日 1時) (
レス) id: 1fece32f94 (このIDを非表示/違反報告)
いろんなファン - 林田さんのお話とても面白いし，自分好みで凄く良かったです！これからも応援します！ (2021年7月22日 15時) (レス) id: 1d1b2320a0 (このIDを非表示/違反報告)
藤ヶ谷莉奈(プロフ) - 初めまして いつも楽しく読んでいます！ 唐突ですがハナコの秋山さんリクエストできますか？ (2020年5月16日 16時) (レス) id: 4001ada5be (このIDを非表示/違反報告)
まおみう(プロフ) - ?さん» 物凄く遅くなってしまって申し訳ありません！lリクエスト承らせていただきますね！気長にお待ちくださると嬉しいです (2020年4月16日 1時) (レス) id: 3cd43add63 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 初めまして！コマンダンテの石井さんお願いします！ (2020年3月3日 11時) (レス) id: 4cebf7ba72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まおみう | 作成日時：2019年11月11日 18時
