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【太陽の君】 ページ27

 
 
太陽は時々、雲に隠れてしまう。
急にあたりが暗くなって気が付けば雨が降りそうな空にかわっている。

日差しが遮られてしまう。

それでも次にまた太陽が顔を出すのを、みんな信じて待っている。





「やり残したこと、ある?」

「何。あっさり受け入れるんだね」


「――考えてても仕方ないだろ。うじうじ考えるより、動いてるほうがAらしい。」

「やり残したこと、か。」





少し考えて、Aは、そうだ。と声を上げた。



「私ね、彼氏いたことないの。」

「――ふっ」


「おい、ジョングクなんで笑った?」

「いや、案外しょうもないやり残しだなと思って」


「何それ、こっちは真剣なんだけど?」



怒ったように、それでもAは笑った。
いつもみたいな明るい太陽のような笑顔だ。


――俺の、好きな笑顔だ。



「好きなやつはいるの?」

「――いるよ、」


「…へぇ、うまくいきそうだけどね」

「いまさら無理だよ。死ぬ間際でさ付き合っても相手が可哀そう。」



「じゃあ俺でいいなら、相手になるけど」

「バーカ、いいよそんな。楽しかったもん、もう望まない。」





その時、Aはどんな気持ちだったのか。
ふっと笑って背を向けて歩き出そうとするAの手をつかんで、振り返らせる。




「――俺じゃあだめかな。図々しいことわかってるけど、最後の時間、俺に下さい」




 

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作者名:ユル | 作成日時:2018年10月19日 18時

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