今日:2 hit、昨日:11 hit、合計:1,705 hit
小｜中｜大
【太陽の君】 ページ26
ある日を境にしてAはよく学校を休むようになった。
それまでは誰よりも早く学校に来て、明るい笑顔でみんなを迎えていたのに。
ふと変わってしまった日常にみんなが首をかしげていた。
「A?」
そんなある日、学校から帰る途中俺はAの姿を見つけた。
ぼんやりと、空を見上げているその姿に思わず声をかけるとゆっくりと俺へと視線を向けた。
少し、やせたか。
「グク...」
「何やってるの」
「空、きれいだなと思って。」
「あぁ、」
Aに言われて、俺も空へと目を向ける。
うっすらと夕暮れかかったその空は、幻想的な色をしている。
「空にいけたら、幸せかな。」
「は、?」
「グク、私ね」
"もうすぐ死ぬんだ。"
Aの言ってる意味がわからなくて、俺は言葉がでなかった。
死ぬ?
Aが?
「今までが幸せすぎたのかも」
「ほんとに、?」
「私も実感なんてないけど」
消えてしまう事実を。
この年でどう受け止めているんだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユル | 作成日時：2018年10月19日 18時
