検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:1,697 hit

【罪と君】 ページ24

 
 
必死に駆け回ってヌナを捜した。
いくら叫んでも、返事は帰ってくることはなかったけれどヌナは、たった独り暗い公園の中に立ちすくんでいた。



「ヌナッ」

「テヒョ――、」



振り返って俺の名前を呼ぶ前に、俺は力いっぱいヌナを抱きしめた。

小さくて、折れそうなヌナ。
こんな小さな体でいっぱいいっぱいになるまで戦ってたんだ。



「――ごめん、テヒョン、私ね」

「いいから、何も言わなくていいから」




ヌナは涙でぐしゃぐしゃになりながら、俺に縋るように泣いた。




「――テヒョン、」

「ん?」


「助けて…」

「うん」




やっと聞けた、ヌナの本当の声。



「ヌナ、遅いよ。もっと早く助けてって言ってほしかった」



ヌナの耳元に優しく伝わるように言う。
ヌナがどれだけいっぱいいっぱいの中で父親を刺したか。

それがヌナの罪なら、俺だってその罪を受けるよ。



「――俺たちは、姉弟だよ。俺頼りないかもしれないけどそれでもヌナくらい守れるよ。」




あぁ、溢れる。


ツーっと頬を伝う涙。


俺にとってヌナは唯一の姉弟で。
ヌナにとっての俺も唯一の姉弟なんだから、と。




「ヌナ、逃げよう。」




二人で、遠くへ。
罪を背負いながら二人で生きていこう。



「…手、繋ごうヌナ。」





流れる、刺殺のニュース。

俺たちは罪を背負いながらさまよい続ける。





.end.

【太陽の君/Jungkook】→←【罪と君】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:防弾少年団 , ユル , 短編
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユル | 作成日時:2018年10月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。