【罪と君】 ページ21
虐待。
父親はヌナにだけ、辛く当たり毎日夜中になると酒に酔った父親はヌナに手をあげた。
幼いころに亡くなった母によく似たヌナ。
だからヌナは「そんな私を見るのがお父さんは辛いんだよ」と、言っていた。
それでもヌナはそんな父親にも毎日、料理を作って待っていた。
「テヒョンお帰り、晩御飯できてるよ」
「ん、ありがとうヌナ」
古いアパートで、俺たちはずっと暮らしている。
浴びるように飲む酒のせいで父は狂った。
コトっと置かれた目の前の皿に乗るヌナも一番得意な料理。
「美味い!」
「ありがとう。」
ふふっと、嬉しそうに笑う。
ヌナの笑った顔を見るのが好きだ。
「あとでホソクヒョン達とちょっと出かけてくる。」
「あんまり遅くならないようにね。」
「ヌナは俺を子供扱いしすぎだよ」
「ごめん、ごめん。」
――ヌナは、きれいだ。
ラップに包まれたあの皿は父のものだろう。
毎日ヌナは俺たちのために一生懸命料理を作って、帰りを待っている。
「ヌナ」
「なに?」
「大丈夫?」
「大丈夫。」
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作者名:ユル | 作成日時:2018年10月19日 18時