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【求める君】 ページ18

 
 
君が僕に分かれた理由を告げたのは君の姿が見えなくなってからだった。



もういない君。
どうあがいても会えない君。

すべて、君から届いた手紙に書いてある。





『ごめんね、ジミン』

その言葉から始まった文面。
少しだけ筆圧の薄いその文字はたしかにAのものだ。



『最後に引き留めてくれてすごく嬉しかった。』




『もうジミンに会うことはできないけど。』



『それでも私は今でもジミンが大好きだよ。』



『話せなくてごめんね。』



『病気に勝てなかった私をどうか許してほしい。』



『愛してるよ、ジミン。』




決して多くは書かれてないその文面の一番最後。
たぶん書いて、それから消したんだね。

優しいAらしくて、少しだけ勝手なAらしい、ずるいやり方だよ。



『忘れないで』



その文字だけがうっすらと、消えかかっていた。



 

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作者名:ユル | 作成日時:2018年10月19日 18時

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