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【空へ還る君】 ページ2

 
 
なんで好きになったのか。

なんで君なのか。
なんで君から離れられないのか。


答えなんて言うものはもうとっくに僕の中にあった。




「一緒にいて幸せになれないんだよ。」

「A、なんでそんなこと言うの?」



「ジン君が好きだから。私が死んだあとだってジン君はもっともっと長く生きるから。」




目にためた涙が、ぽつりとシーツに零れ落ちた。
泣き虫なAも、空が好きなAも、どんなAだって僕はずっと愛してた。




「早く私から離れたほうがジン君、辛くないよ」

「辛いよ。それを決めるのは、僕だ。できるかぎり傍にいたい。」




よりによって、なんで君なのか。
なんで君と出会って君を選んだのが、僕だけじゃなかったのか。



「Aを悲しませるのが、何より一番つらいよ。」




抱きしめてこのまま時間が止まってしまえばいいのに。
僕の胸で小さく嗚咽を上げる彼女との残り少ない未来。

青い空に吸い込まれてしまいそうだ。


君の細くて白い手が背中へと回る。
弱い力で僕をずっと抱きしめている。その手が震えているのを感じる。

いつのまに、こんなにも弱くなってしまったのか。




「このまま時間が止まればいいのに」




その願いはかなうことなく。
また今日も、朝を迎える。





 

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作者名:ユル | 作成日時:2018年10月19日 18時

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