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俺が大学生の時だった。
高校で進路を決める際に適当に決めた大学には、「心理学」の授業が選択である。
楽そうに見えたその授業はペアで行う実験が多いことは後から知った。
毎日1番後ろの端っこに座る俺。
毎日1番前の端っこに座る彼女。
教授の合図でペアが決まっていく。中には残念がるやつ、嬉しさに声をあげるやつ。
その中で俺達は静かに会釈をした。
「Aっていいます。よろしくお願いします。」
彼女は授業の為といって食事に誘ってきた。
ただの口実にしか聞こえないけど、大学生活遊ぶ玩具が無いなんてつまらない。
「ウォヌです。よろしく。」
そう思って誘いに乗った。
挨拶をすると彼女はいきなり資料を出し実験についての話を始めた。
「、、、てことなんだけど、ウォヌくんはどう思う?」
「Aさん、まずはお互いを知るところじゃない?心理学なら余計に ㅋㅋ」
俺の彼女に対する印象は良かった。真面目すぎる故にひとつに集中すると何も出来なくなるところ。たまに俺に向ける笑顔がとてつもなく可愛いところ。
お互い呼び捨てでは無いけれど、いい距離感だと思う。
そんな中ミンギュから声がかかった、
「ひょん!動画編集できたよね?よかったら俺の所でやってくれない?ちょーっといい所から声かかっちゃって。」
ミンギュは高校卒業後すぐに社会の道へと進んだ。
あの汚い世界から離れるために、実際できていないけど。
Aさんには話していない、俺の高校生時代。
少なくもと彼女に好意のある俺は隠したかった過去。
しかしこのまま関わっていけばその汚い世界に引き込んでしまう。俺と深く関わるものは12人の玩具となる、そう考えると彼女と離れ仕事を引き受ける事しか頭に無かった。
俺はその年の冬彼女の前から姿を消し、動画編集者としてミンギュと働いている。仕事のない日はゲーム実況者、好きなことを仕事にしている割には寂しい気もした。
さようなら、俺の初恋。
そう思っていたのに。 5年後の今なんでここにいるの、Aさんを守る為に離れたのに。俺の努力は?何度も後悔したあの日々は?
怒りもあったけど、会えた喜びの方が強かったみたい。
おかえり、俺の初恋。
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作者名:いちかみんみん | 作成日時:2021年10月25日 12時