不思議の国の、13人。Chapter Ⅱ (ページ43)

今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:71,323 hit

93 ページ43

A「ハニ」

JH「ん？」

その日の夜、私は彼を教会のテラスに呼び出した。

最終手段、ハニに直接聞いてみる。

流石にクプスさんをいつまでも待たせる訳にはいかない。

ここで話をつけよう。

A「その…前言ってたことなんだけど…」

JH「うん」

A「こう、あの…何で、私を生きる意味って言ってくれたの？」

するとハニは、優しく微笑んだ。

JH「理由なんてないよ。生きる意味は生きる意味だ」

心臓がバクバクする。

それと同時に、胸が苦しくなる。

JH「守りたいのも、救ってやりたいのも、義務じゃなくてあくまで俺の意志だ。それに…最初はビビられてたけど、グレてたからって態度変えずに接してくれたの、嬉しかったよ」

A「態度変える必要なんかないでしょ？ハニは心も天使だもん。私は知ってる」

JH「初めて言われたわそんなこと」

A「ほんと？」

多少口が悪かったりするけど、

優しくて、温かい心を持っていて

見た目通りの天使だ。

でも本当は、いっぱい悩んでいっぱい苦しんだ。

それ故の、"過去"だ。

根っからの悪い奴なんかじゃない。

A「ハニ、もし私が…絵を描く為に生きていきたいって言ったら、どうする？」

JH「いいじゃん！俺はAを応援する為に生きるよ」

ああ、また胸が苦しくなる。

ハニにそう言われて、とても嬉しくなった。

それなら私、生きていけるかも。

ん？あれ？

私…もしかして……。