おいしいって笑うキミが好き / Fischer's <Mt> (ページ9)

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▼エゴと救世主ページ9

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『えっ、何この状況』

仕事も終わって撮影してるであろう皆へ差し入れするためにマサイ家へやってきたのだけど
何故か隣の部屋で叫んでいる家主と背中を押してるうちの彼氏
そしてそれをケラケラ笑いながら見てるぺけ君とリビングで編集中のシルク君。

マッサージ中なのはわかったけど、うん
この叫び声聞きながら編集出来るのすごいな彼。イヤホンしてないよね今日

silk「あぁおつかれ」

『ありがとう。これ差し入れ～っておもったけどもう食べてるのね』

silk「それはもしや･･･Neveのトマトサラダ!?!?!?食う!!!」

『はいはい』

その声を聞いて皆がわらわらとやって来た
魁はお皿とお箸をまっさきに取りに行く。本当によくできた彼氏だこと。
まあでもここ人の家なんですけどね、彼らにはあまり関係なのかもしれないけど

motoki「今日早かったね終わるの」

『明日がほら、うん』

motoki「･･･あ、そっか。じゃあ１週間おやすみじゃん」

『そうそう』

peke「めっちゃ長いね!明日から何かあるの?」

『明日はあの店にとって大事な日で、ナオさんの充電期間なの』

首をかしげるぺけ君とマサイ君
ただシルク君は私を見て控えめに聞いてきた

silk「それって、前に鎌田さんが言ってた“この店を救った”っていうのと関係してる?」

『流石シルク君。でも救ったっていうか･･･私のエゴでもある』

masai「エゴ?」

『私が働く前までは、あの店の店長は別の人だったんだよね』

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「いらっしゃいませ～!あら今日はもう学校終わったの?お疲れ様～!」

行く度に天使のような笑顔で出迎えてくれるのは当時の店長ユキノさんだ。
今の店長とナオさんの幼馴染であり、ナオさんの奥さん。

高２の時に偶然店を知ってその味に感動して以来ずっと通っていた
当時はナオさんも声が出ていた。
２人の掛け合いがすごく好きで心も満たされていたのは鮮明に覚えている

「ねえAちゃん今のひどくない!?」

ﾅｵ「酷くはないだろ」

『いやそれはナオさん女心わかってないですよ』

ﾅｵ「１０代に言われるとグサッとくるなあ･･･ｗ」

ほんの少しの会話、人と話すのが苦手な私にとってそれが心の支えであり“日常”だった

でも

日常はある日、急変したのだ

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