４ 裏切り ページ6
でも、違った。
その日の夕食の席では、あの話題がそこかしこでささやかれていた。
やっぱり本当だったんだ……。
____いやだ。
変な胸騒ぎがする。ご飯なんて食べていられないほど、なにかに迫られるような気持ちで、もうなにも手につかない。
ほとんど残した夕食を、食べ盛りの子どもたちにあげてから、そっと部屋に戻った。
どうしたの、って聞かれたけど、ちょっとおなかが痛い、と言ってごまかした。
まあ、あながち嘘でもないしね。
だって、今は、みんなと一緒にいられない。こんな暗い顔、みんなに見せられない。
みんなが来ないうちに早めにお風呂をすまして、スウェット姿で自分のベッドに寝転がった。
____私がおかしいのかもしれない。
みんな、“あの計画”のことを不思議がっているようだけど、
激しく反対している人はいないみたいだった。
お父さんの“計画”____それは、
サッカーで、世界征服すること。
詳しくは知らされていないし、その動機もよく分からない。
ただ、富士山に落ちた隕石から“エイリア石”という不思議な力を持った石が見つかり、それを使えば人間の最大、いや、自分の持っている以上の力を発揮することができるらしい。
でも、それでどうするんだよ。
私はこれでいいんだ。
いや、これがいい。このままがいい。
つい昨日までは、ずっとこのまま時が過ぎてゆくんだと思ってた。
お父さんは____
「おかしい」
口に出して言った後、私はあわてて手で口をふさいだ。
私さっき、なんて言った？
お父さんが____おかしいなんて、
お父さんが間違っているはずないのに。
次の瞬間、
「私さっき……とんでもないこと言った……
おかしいのは、私……？」
みんなが正しいんだ。
私はさっき、大好きな、大好きなお父さんを、裏切ろうとした。
裏切りだ……。
どうしよう、お父さんに嫌われてしまう？
きょうだいにも嫌われてしまう？
この居心地の良すぎる場所を失いたくない。
お父さんも、きょうだいも、失いたくない____。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿津(プロフ) - †びた†さん» あたたかいお言葉、ありがとうございます！力が出そうです。これからも更新は遅いと思いますが、頑張って仕上げていきます。 (2017年3月7日 23時) (
レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
†びた† - ゆっくり自分のペースでやっていただいておkですよ｡待ってます! (2016年8月6日 15時) (レス) id: eb2164e30c (このIDを非表示/違反報告)
阿津(プロフ) - ルミナさん» 遅くなってしまってすみません。わわー、コメントなどなど嬉しいです！ありがとうございます(･∀･*) (2014年11月28日 22時) (レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ(プロフ) - 設定が好きです。なんか、面白い設定だな〜っと よければ私の小説も^^ (2014年11月14日 0時) (レス) id: 96405fb6db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：阿津 | 作成日時：2014年6月17日 21時
