３ 夢ならいいのに ページ5
そのあと…。
気がつくと、私は自分の部屋にいた。
勉強机に向かって座り、何をするでもなくイスの背もたれにもたれていた。
どうやって戻ってきたんだっけ……？
机の横には、すぐベッドがあって、その枕元にライトグリーンの目覚まし時計がある。
もうすぐ６時すぎか……。
今日は夕飯の当番じゃなかったよね。うん、なら大丈夫。
お日さま園では、６時から当番がみんなの夕食を作る。
と言っても、私たち子どもはあくまでお手伝い。基本は炊事のおばちゃ((お姉さんたちがほとんど作ってくれることになってる。
あれから約２時間が経っていた。
あれは、あの話は、夢……じゃないよね。
……いやだ、
そんなのいやだ。
確かにみんなとサッカーするのは好き。
でも、それは遊びだから。
それに、みんながみんなサッカーが得意なわけじゃない。
“あんな計画”、うまくいくはずない。
さっきの出来事で、私は少しわからなくなった。
お父さんのことが。
あんなにも優しくて、温厚で……
なのに……。
ぐるぐる考えていたらなんだか疲れてきて、私は机にうつ伏せた。
みんなは、どうしてるんだろ。
私みたいに悩んでたりする？
ねえ、
夢だったらいいのに。
これがただのおかしな夢だったらいい。
夕食は７時からなので、それまで子どもたちは庭や公園で遊んだり、宿題をしたりと好きなことをしている。
“計画”に関わるのは、中学生だけ。
それ以下の子は、まだなにも知らないはず。外からは、元気な声が聞こえてくる。
そっと窓から庭をのぞくと、小学生たちが遊んでいるみたいだ。
あ、それと____晴矢。
真っ赤な頭が人目を引く晴矢。
みんなに遊んで、遊んでと、せがまれているみたい。やがて、しょうがねえなぁといった顔で、サッカーに付き合いはじめた。
晴矢はサッカーが得意だし、しぶしぶだった割には、楽しそうにボールを蹴っている。
ちょっと、おとなげないけど。
手加減なしの晴矢に、小学生ズはお怒りだ。
「晴矢ずるー！！」
「はやいよ〜」
「へっ。悔しかったら奪ってみやがれ！」
いや、ほんとおとなげないな……。
でも、そんな晴矢の様子を見ているうちに、私がさっきまで悩んでいたことが馬鹿らしく思えてきた。
みんな普段通りなのかも。こんなに思い悩んでるのって、私だけかもしれない。
庭を走り回る晴矢を見ていたら、本当に夢だったかのように思えてきた。
うん、たぶん____
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阿津(プロフ) - †びた†さん» あたたかいお言葉、ありがとうございます！力が出そうです。これからも更新は遅いと思いますが、頑張って仕上げていきます。 (2017年3月7日 23時) (
レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
†びた† - ゆっくり自分のペースでやっていただいておkですよ｡待ってます! (2016年8月6日 15時) (レス) id: eb2164e30c (このIDを非表示/違反報告)
阿津(プロフ) - ルミナさん» 遅くなってしまってすみません。わわー、コメントなどなど嬉しいです！ありがとうございます(･∀･*) (2014年11月28日 22時) (レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ(プロフ) - 設定が好きです。なんか、面白い設定だな〜っと よければ私の小説も^^ (2014年11月14日 0時) (レス) id: 96405fb6db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：阿津 | 作成日時：2014年6月17日 21時
