26 誰よりも バーンside ページ28
(人1)は茂人の部屋を出た後、
「茂人は病気をしやすいんだ」
「病気は……仕方ねえな」
「うん。でもほんとはみんなと一緒に遊ぶのが大好きだから、元気になったら茂人も一緒にみんなで遊ぼうね」
「いいぜ」
俺がそう言うと、(人1)は自分のことみたいに嬉しそうに笑った。
「うん！茂人には早く良くなってもらわなくっちゃ」
「____いつも、(人1)が茂人の看病してんのか？」
「ううん……決まってないけど……でも、茂人、さみしそうだったから」
「ふーん」
「それに、茂人はきょうだいだから」
「え？ そうだったのか？」
「うん！ えっとね……ほんとのきょうだいじゃないけど、でもきょうだいなの」
「ん？」
「ここにいるのはみーんな、お父さんの子どもなの！」
「おとうさん……」
「晴矢もね」
(人1)が笑う。
俺と同い年って言ってたのに、
なんか年上な気がした。
〜〜〜〜〜〜
(人1)は昔から、こういう役割が多かったな、と思う。
さりげなくみんなに気を配って、
人の心に優しく寄り添ってくれるような、
それでいて、絶対超えてはいけないラインは必ず守っていたというか……。
だから、お日さま園に新しく来たやつらの気持ちをほぐすのも、なんだかんだで(人1)がうまかった。
あと、喧嘩の仲介役とかも。
普段はみんなのいるところより一歩引いた場所にいて、みんなのことをよく見ているやつだった。
誰よりも。
目立っていたわけじゃなかった。
でも、誰もが信頼してる。
俺は、(人1)が人の名前を間違うとか、思い出せないなんてとこ、見たことない。
いくらお日さま園に来たばっかりのやつらの名前でも、すぐ覚えてたはずだ。
それだけ、名前を大事にしてた。
自分の名前を、宝物みたいに大切そうに口して、
人の名前も、それと同じくらい大切そうに呼んで……だから、
だから、なんでさっき、(人1)が
俺のことを晴矢って呼びかけてやめたのかが気になる。
大好きな父さんからもらった“名前”だって、
きっと気に入ってると、思ってた。
なのに、
最後に“バーン”って呼ばれたとき、
もちろん気のせいだけど、
初めて(人1)にその名前で呼ばれた気がした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿津(プロフ) - †びた†さん» あたたかいお言葉、ありがとうございます！力が出そうです。これからも更新は遅いと思いますが、頑張って仕上げていきます。 (2017年3月7日 23時) (
レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
†びた† - ゆっくり自分のペースでやっていただいておkですよ｡待ってます! (2016年8月6日 15時) (レス) id: eb2164e30c (このIDを非表示/違反報告)
阿津(プロフ) - ルミナさん» 遅くなってしまってすみません。わわー、コメントなどなど嬉しいです！ありがとうございます(･∀･*) (2014年11月28日 22時) (レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ(プロフ) - 設定が好きです。なんか、面白い設定だな〜っと よければ私の小説も^^ (2014年11月14日 0時) (レス) id: 96405fb6db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：阿津 | 作成日時：2014年6月17日 21時
