10 報われない男たち ページ12
まあ結果として、朝練は有意義なものになったからいいとして。
でも、なんだかソチスの様子がおかしい。
私に話があるって言ってたくせに、聞くと、
「ああー…それね。また、今度にしよっかな」
と、妙に歯切れが悪い口調で言っただけで、はぐらかされたし……。
なにかありそうなのに、分からない。
「残念だったな、コロナ」
「わっ、ば、バーン……」
う、そうか…。
バーンがいきなりソチスに出くわして動揺する様子を見ることが出来ていたなら、もう少し気分も晴れただろうな……。
「なんのこと？ バーン」
「昨日の飯のあと、なんか企んでると思ったら、お前な…」
ソチスに会えて嬉しかったくせに。
「まあそんなー企むなんて人聞きの悪い。心外だわー、おおいに心外だわー」
私のひどい棒読みっぷりに、バーンが呆れた表情でため息をもらす。
「ったく……」
「そんな深いため息ついて、なにか嫌なことでもあった？
私でいいなら相談に乗ってあげるよ？」
「いちいちむかつく言い方すんなー！」
「そっちこそ。なんだかんだで嬉しかったくせに」
「はっ？！ なんのことだ」
「あんな朝早くから思いがけずソチスに会えたこと」
「はっ？ 別になにも……」
そう言いながらも、君の顔が赤くなってるのは私との口喧嘩で怒っているからだけじゃない。
「そんな顔して言っても、全然説得力ないのよ」
「朝から仲良しだね〜おふたりさん」
「「は？」」
く、くそぅ。私としたことが、よりによってバーンとハモるなんて……。
「なによソチス。そんなに仲良くないよ」
「そんなにって、全否定はしないんだ」
「うん。ねー、バーン。そこまで険悪な仲じゃないよね」
「なに言ってんだ」
半眼で私を見ながら、バーンはそそくさと立ち去って行った。
「ほんと面白いなー、あの子」
「え？ 何か言った、コロナ？」
「ううん、なにも」
聞こえてなかったんなら、別にいいや。
「バーンも悩める少年よな〜って思ったの」
「ん？ バーンが悩み事？！」
「ソチスよ、そんな驚いてくれるな。バーンとて一応人の子だぞよ」
「そ、そっか…。(てかコロナ、なんだその喋り方は…？)」
んー、バーンも報われないな〜。
いや、彼だけじゃないか。
別に私はバーンだけを応援しているんじゃない。
ソチスに恋し続けている、一途な男子達を応援するつもりだ。
……本音よ？
面白がってるんじゃないから！
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿津(プロフ) - †びた†さん» あたたかいお言葉、ありがとうございます！力が出そうです。これからも更新は遅いと思いますが、頑張って仕上げていきます。 (2017年3月7日 23時) (
レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
†びた† - ゆっくり自分のペースでやっていただいておkですよ｡待ってます! (2016年8月6日 15時) (レス) id: eb2164e30c (このIDを非表示/違反報告)
阿津(プロフ) - ルミナさん» 遅くなってしまってすみません。わわー、コメントなどなど嬉しいです！ありがとうございます(･∀･*) (2014年11月28日 22時) (レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ(プロフ) - 設定が好きです。なんか、面白い設定だな〜っと よければ私の小説も^^ (2014年11月14日 0時) (レス) id: 96405fb6db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：阿津 | 作成日時：2014年6月17日 21時
