19 月夜 ページ21
その日の夕食を食べた後、私はひとりで庭に出た。
ボールを蹴る音がする。きっとまだ、誰かが練習しているんだろう。
それを避けるように、私は影を選びながら、そっと園内を抜け出した。
あてもなく歩きながら、空を見上げた。
月が見えた。三日月と半月の間くらいの。
なんか、きれいだな。
月はいつも地球の周りにいて、私がバタバタしてる間も月はまわってるだけなんだな。
誰かに聞いたことがある。
月って、回っているその遠心力があるから、地球の引力に引き寄せられて落ちてくることがないんだって。
地球の周りをぐるぐるして、ずっと回ってるのに、一緒にいるのに、
月と地球は距離を置いたまま。
月が回らなくなったら、地球に落ちてきて、きっと地球は大変なことになる。
なくなるかもしれない。
月と地球のどうしようもない関係。
________っ。
私は、思いっきり空を見上げた。
なんだろ、冷たい風のせいかな。
なぜか、目じりがあったかい……。
ふと、後ろに気配を感じた。
あ。
誰かいる。
姿を見たわけでもないのに、
なんだろう、この存在感は。
よくわからないけど、人がいるのに気づいた瞬間、走り出した。
ばかみたい。
かっこわるい。
こんなの私じゃない。
らしくない。
心の中でそんな言葉がぐるぐる渦巻く。
とりあえず走る。
最近は、サッカーの練習のおかげでスタミナついたと思うんだ。
「サッカー、か……」
ぽつり、つぶやくと、なぜだか悲しくなってきて、足を止めた。
すこし立ち止まるけど、それでものろのろ歩き出す。
私は一瞬だけうつむいて、
それでもまた顔を上げた。
そのとき、
横を何かが通った。
____と、思ったら、
「おい」
聞き覚えのある声に、息を飲んだ。
回り込まれた……?!
私の目がとらえたもの____
金の瞳____
しかめ面の少年の顔がそこにあった。
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阿津(プロフ) - †びた†さん» あたたかいお言葉、ありがとうございます！力が出そうです。これからも更新は遅いと思いますが、頑張って仕上げていきます。 (2017年3月7日 23時) (
レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
†びた† - ゆっくり自分のペースでやっていただいておkですよ｡待ってます! (2016年8月6日 15時) (レス) id: eb2164e30c (このIDを非表示/違反報告)
阿津(プロフ) - ルミナさん» 遅くなってしまってすみません。わわー、コメントなどなど嬉しいです！ありがとうございます(･∀･*) (2014年11月28日 22時) (レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ(プロフ) - 設定が好きです。なんか、面白い設定だな〜っと よければ私の小説も^^ (2014年11月14日 0時) (レス) id: 96405fb6db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：阿津 | 作成日時：2014年6月17日 21時
