ワンダー・ワールドｰ2ｰ《blooming out of season》 (ページ16)

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strange.14 ページ16

「へぇ、可愛らしい名前だね」

妖しげな、どこか裏がありそうな妖艶な笑みを浮かべながらスカルは言う。

「…それで、どうやって戻ればいいのよ？それに人間じゃないならあんたたちは何なの？」

質問を重ねるようにして問いかける幸菜。気持ちは分からなくもない、こんな意味が分からない世界に迷い混んだのだから。
それを聞いたシルビアは静かに言う。

「戻るにはゲートを使わないといけない。｣

淡々とそれだけを告げるので慌てたようにレイウァールが付け足す。

もちろん、距離を取っての話だ。

･

「平たく言えば、その…俺たちは血を流さないんですよ」

「…それは」

感情を露にしない出雲も驚きを隠さずに表情に出していた。

「死なないってこと？」

「…、死なない訳じゃないです。殺されれば死にます…寿命はない。ただ、死に方が違います」

躊躇いがちに、だがはっきりと言う。

「死体は残らない。終わりを迎えたらそのまま消え去ります。」

どうやら淡々と事実を告げるものが多いらしい。当たり前だろう、彼らにとっては常識であるのだから。

驚く彼らを、不思議なものを見るような目でみていた蓮玖は見下しぎみな口調で言う。

「どうでもいいだろ、そんな事は。それより貴様らが戻るのが最優先じゃないのか？」

「…えぇ」

深刻じみた表情で出雲は頷く。外見は少し幼いだろうが態度や様子から歳は10代後半くらいだろうか、と悟る。

出雲の発言から誰も口を開かなかったが…そこにいるはずの無い声が響く。

「…なにをしている、そなたらは」