ワンダー・ワールドｰ2ｰ《blooming out of season》 (ページ12)

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strange.10 ページ12

「物騒な世の中だよなぁ」

「...？何か言ったか」

「いんや？」

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窓に肘をつきながら呟く男勝りな金髪の女性ことモリガン･クライストは片手に持った煙草の煙を静かにはいた。

そう、此処はハートの国にある酒場だ。彼女は酒場の女主人である。

問いをかけたのはエースであるレイウァール。

彼は女嫌いなのだが…唯一無二、彼女だけは平気だった。そう、彼らは幼馴染みであるから。

「…この世界ももう、駄目なんでしょうね」

「は？何でだ」

「…分かりませんけど…何ででしょうか」

モヤモヤとした表情をしながらも彼は白いコートの上から心臓付近を皺ができるほど握り締めた。それが色々な意味がある行動だと、モリガンは静かに諭した。

それがどんな意味かは、詳しくは分からないのだが。

「…アルカナが蠢いてる…終末が来ると…」

更に強く握り締めた。
アルカナを持つ者は余程のことがない限り死は有り得ないし能力も膨大な力を手にいれられる。

それを逆に取ってみれば…
この世界と半永久的に付き合っていかなければならない。

だから世界に何か起こる予兆があるとすれば…

こうして心臓に刻み付けられたアルカナは危機を告げるようにして音をたてはじめる。

「私はアルカナなんて持ってないから、レイみたいな感じも全くないんだけどさ」

「…」

「…終わりって、何なんだろうな…って」

「モリガン…」

「たまに思うんだ」

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ふと吹いた風が彼女の金髪を揺らしていく。

「…レイ、もしこの世界自体が無くなってしまったら」

手元にあった酒を一口飲んだあとに呟く

「私達に、来世はあるんだろーかね…」

それに答える者はいない。…いや、答えられないのだ。

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