心拍数_3 ページ9
「あぁもう黙って笑
てか、濡れてる」
そう言って傘を奪い、私の方に傾ける
『それじゃあ意味ないですよ』
「じゃあこうすればいいんじゃん」
先輩は傘を傾け直した私の手を、グッと引き寄せた
「これで2人とも濡れないだろ」
『そう…ですけど』
寒いはずなのに、握られたところから身体熱くなるのを感じる
絶対顔上げらんない
「なぁ、何で耳赤くしてんの…」
『…』
どうにか平然を装いたいのに、そんなのお構いなしに私の心拍数はどんどん上がっていく
「喋ってくんないと、勘違いする」
『……!?』
何か言おうとした時には、遅くて
スンチョル先輩の顔が目の前にあった
「あっ…」
離れるとなぜか決まり悪そうな顔をする先輩
『なんでそんな顔なんですか』
「…返事も聞いてなかったのに悪い」
『変態』
「おい」
『人の気も知らないで』
「だから悪かった」
『しかも何で今なんですか
引退した後はバレないようにしてたのに、どうして今気づいちゃうんですか』
「俺がAを見る時と同じ目、してたような気がして
違った?」
『聞き方がずるい』
「ごめんな、早く気づけなくて
けど、鈍感なAもそうだろ」
『不器用ですみませんね』
「…いいけど笑」
『なにニヤついてるんですか』
「ん?可愛いなって思って」
先輩の可愛いは軽くスルーしてきたのに、急に意識すると心臓に悪い
『スンチョル先輩、可愛い禁止』
「なんでだよ」
『なんででも』
そんなやり取りをしてるうちに、いつの間にか雨は止んでいた
『雨止みましたね』
傘を閉じようとすると先輩に止められる
"ちょっと"
そういって傘を周りから顔が見えないように下げた
「…チュッ」
『あっ…!!』
肩パン喰らわそうとしたのに、きつく抱きしめられる
「今のは承諾済みだろ?」
『急すぎます』
「じゃあ今度はチューしてもいいですか?って事前に聞きますー」
『そんなのわざわざ聞かないでください』
「嬉しいくせに」
『変態大男』
「なんとでも言え」
きっとこれからも私の心拍数振り回されるんだろうけど、そんな先輩を好きになったのだから
まあいっか、幸せなら
붐붐
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作者名:ミルクティー信者 | 作成日時:2021年4月14日 16時