一編のような彼ら【短編】 (ページ2)

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夢の中でページ2

「A！」

「ジョンハンくん！」

「早く行こう？」

遠くから私を呼ぶ彼の声
その元へ駆け寄り手を伸ばす

と、いい所で目が覚める

「A！！ほら！いい加減に起きなさい」

『痛い…』

「起きなさい、もう7時半だからね」

『嘘でしょ、なんで早く起こしてくれな…』

そう思ったところで、突然さっきまでの夢を思い出して顔がニヤける

「あんたって子は朝から何考えてるの気持ち悪いわね、早く準備しなさい」

『娘に向かってその言い方はないんじゃ笑』

いつものように朝から一悶着終えて、慌てて家を出る

ギリギリに教室に入り
1番後ろで窓側の席に着けば、たちまち騒がしくなる廊下

時計を確認する
きっと彼が来たんだろう

準備をしながら横目で廊下を見ていれば、黄色い歓声の中から姿を表すジョンハンくん

今朝私の夢に出てきた彼だ

そして私の隣の席に着いたと思ったら、すぐさま机に突っ伏して寝る

有難いことに入学当初からお隣の席に座らせてもらっているんだけど、なんせまともに会話をしたことが無くって挨拶くらい

まあ毎日、こっちに向ける彼の美しい寝顔を拝めるだけで十分

今日は、一限から眠気を誘う歴史の授業
クラスのほとんどが机に突っ伏してるような状態で

もちろんジョンハンくんは、天使のような寝顔で熟睡してらっしゃる

『…(ありがとうございます)』

声には出さず手を合わせて、彼に向かって目を瞑り拝んだ

そして落書きに集中しようと目を開けると

ジョンハンくんと目が合ってしまう

『…あっ！』

「どーした、イム
何か質問でもあるのかー？」

『え、えっとーいえあの
すみません、ありません』

力が抜けたようにまた座る

隣を向けば、何事も無かったように眠るジョンハンくんが居て

『 (…私の見間違いかな) 』

彼を横目で見てみる

やっぱり変わりない…

なのにイタズラに笑った彼の顔が、頭から離れないのは何でだろう

あぁこんな表情するんだ

考えるほど耳は熱くなっていく

会話は無いけれど、ただのお隣さんだけど
その姿を私だけが見れてたらいいのに

目が合うだけで嬉しくて、それを独り占めしたくなるのは貴方だけ

만세