訳あり審神者と刀剣男子による防衛戦【刀剣乱舞】 (ページ15)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:10,186 hit

１４話　不調の原因ページ15

演練の結果はｃ判定。いつもの皆だったら考えられないような結果だった。

本丸に戻り、第一部隊の皆を執務室に集める。

「やっぱり、今日の皆はおかしいよ。今日に演練だって、相手の部隊長にかすり傷程度しか

与えてないし。・・・ねぇ、何かあったの？」

大体の目ぼしはついているけれど、やっぱり皆の口から聞きたい。

「・・・」

全員が俯き、唇を固く結んでいる。時計が秒針を刻む音がやけに大きく感じた。

「・・・分かった。皆が教えてくれないなら、皆に聞いて回ってくるね。そこで待って」

よっこらせ、とおばあちゃんみたいなことを呟き腰を上げて執務室を出ようとすると、清光に引き留

められた。

「待って！！・・・話すよ、何があったか」

「・・・ありがとう」

座布団に座り直し、皆と向き合う。

すると、皆がぽつぽつと固く結ばれた口を開いていった。

「あるじさんが、受付に向かっていったときあったよね。その時にね、主を見てひそひそ話してる

人が居たんだ。ボク、はじめは何とも思ってなかったんだけど、・・・あるじさんの悪口を言ってる

のが聞こえて・・・っ」

そういう乱の肩は震えていて、綺麗な空色の瞳にも涙がたまっていた。

「そっか、ありがとう乱。内容って・・・言える？」

我ながら鬼畜だと思う。案の定、乱はふるふると首を横に振った。

「私がお話します」

そう答えたのは弟である乱の背中をさすっていた一期だった。

「そうですな。彼らが話していたのは主が政府の職員に賄賂を渡し、成績を偽造しているとか」

「あと、金に物言わせて気に入らないやつを排除していってるとか・・・」

噂によると私は金に物を言わせる極悪人になっているらしい。

「つらかったのに無理に話させちゃってごめんね。もう休んでもらってて大丈夫だから」

「これで役に立てたのなら・・・」

「じゃ、戻ってるね」

「うん。お疲れ様」

ぱたん。障子が閉められ、ため息をつく。

今、あんな噂を流す人なんて一人、いや三人くらいか思い浮かべられない。

噂が流れてるってことは神代家による復讐(？)は始まっているという事。

きっと何か、直接的に危害を加えるようなことをしてくるだろう。

それだけは絶対に防がなきゃいけない。

もし、それが起こってしまったとしても皆を守ろう。

審神者として、この本丸を統べる者として、何か、本丸の皆を守るための手立てを考えなくちゃ。