１３話 演練場 ページ14
本丸に戻ってから、４日。
きっとあの人たちの事だから何かされるかもしれないと身構えていたものの、
特に何も起こらなかったので拍子抜けしてしまった。まぁ何も起こらないに越したことはないし。
政府から要請があった時代にも午前中に行き終わったし、今はあんまりする事が無い。
ゆっくり過ごすのも良いんだけど・・・。
「久々に演練しに行こうかな、他の本丸の実力も知りたいし」
「お、良いね。俺、第一部隊に声かけてくるね」
「ありがと、じゃあ私準備してゲート前で待ってるね」
第一部隊への声掛けは清光に任せ、支度を済ませ、ゲート前に向かう。
しばらくすると、「お待たせー」という声と共に第一部隊の面々がやって来た。
「よし、揃ったね。じゃあ行こうか」
ゲートをくぐって、演練場に着く。演練場はいつもと変わらず、多くの人が行きかっていた。
「いつ来ても活気があるね、ここ」
「大体の審神者は毎日来るんじゃない？日課的な感じで」
「そうなのか。じゃあ私、登録してくるね」
演練場のシステムは、受付に登録してから、練度などに余り差が無いところ同士で戦う。
圧倒的に差がある人と戦ったってあんまり面白く無いし。
「お願いします」
「はい。本丸番号をお願いします」
「********です」
受付の人がコンピューターにカタカタと本丸番号を打ち込み、相手を探す。
「・・・見つかりました。お相手に連絡を取った後、またお呼びしますのでしばらくお待ち下さい」
「分かりました」
皆の所に戻ると、芳しくない表情を全員がしていた。
「何かあ、ったの？」
「ううん、気にしないで」
「でも・・・」
『Aさん、対戦相手の方と連絡が取れましたので、お戻り下さい』
「ほら、俺たちもう呼ばれてるから行こ？」
清光が、私をたしなめる様に言う。
「・・・うん」
私は渋々清光に従い、受付に戻ることにした。
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作者名：るま | 作成日時：2019年4月2日 14時
