１話 平穏 ページ2
「あるじさん、おはよう！」
「乱おはよう。今日は早いね」
「珍しく早く起きたんだ！ ねぇあるじさん、今日はどこの戦場に行くの？
最近内番ばっかりだったから戦いたいよ〜」
「はいはい。考えておくね」
「本当？やったーあるじさん大好き！」
「私もだよ。さ、そろそろ朝ご飯の時間だし、お手伝いしに行こっか」
「うん！今日の朝ごはん何かな？」
「何だろうね、でも光忠と歌仙がつくるもの何でも美味しいし」
「確かに！二人とも料理上手いもんね〜！」
乱と何てことない会話をしながら厨に向かう。
「おはよう、二人共」
「おはよう主、乱くん」
「歌仙、光忠、何かお手伝い出来ることある？」
「ううん、大丈夫。もうすぐご飯出来るから座ってていいよ」
光忠に朝っぱらから女性に手伝わせるなんてとんでも無い！なんて顔をされたが二人で
あれだけ大人数の盛り付けがすぐに終わるなんて思えない。
「でも最近ご飯は二人に任せっきりだったし、その申し訳なくて・・・ダメかな」
「燭台切、主もそう言ってることだし、手伝ってもらったらどうだい。
皆を待たせるわけにもいかないし。ね？」
歌仙に促されると光忠は渋々頷いた。
「でも無理はしないでね！主時々無理とかするから」
「大丈夫。お手伝いしただけで倒れはしないよ。あ、ご飯よそうね」
「じゃあボクは運ぶのお手伝いしよーっと」
「乱も気を付けてね」
「はーい」
・
・
・
「主達のおかけで早く終わったよ、ありがとう。残りは僕たちでやっておくから」
「じゃあお言葉に甘えておくね」
これ以上いたら返って二人に迷惑かもしれないし。
大広間に着くと皆そろっていて、私を見るや否や
「おはようございます主さん」
「主おっはよー」
「今日は僕たちの席に来てください！」
「あっずるい！俺も主の隣が良い！」
挨拶をしてくれたり、私の隣に座るために取り合いをしてくれている。
こんなのあの家に居た頃には考えられなかった事だ。
取り合いをしてくれている、ということが嬉しくて思わず頬が緩んだ。
「あっ主なに笑ってんのさ！俺たち真剣にやってるんだからね！」
「ごめん清光、何か嬉しくて」
「も〜俺の主可愛い！」
清光がそう言うと、大広間に笑いが起こる。
ーーーーーこんな日々がずっと続くと思ってた。
でも現実はそう甘く出来ていない。
悪夢は突然にやってくるもの。
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作者名：るま | 作成日時：2019年4月2日 14時
