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「…あんな、聞いてほしいんやけど。」
「うん?」
「プレゼント、なんでもええん?」
「太陽が欲しいものなら、なんでもいいけど…私に用意できるものなら」
「そっか……じゃあ聞いて?」
「うん」

私の手を取ったまま、すごく真面目な顔をする太陽。そんなに真面目になるほど欲しいものがあるのかな?それにしても太陽がそう言うくらいならきっと凄いものなんだろうなぁと思う。




「ものとかじゃないんやけど、すごく大それたものが欲しい。」
「……とは?」
「Aとこれから先もずっと、ずーっと歩いて行きたい。……結婚してください。」

太陽のまっすぐ向いた瞳が、まっすぐ響いた声が、頭の中で何回もリピートされて何を言われているのかどういう状況なのかわからなくなった。何か言わなきゃ、そう思って口を動かそうとしたけど頬が引きつって、おまけに目の奥が熱くなった。はっきり見えていた視界はぼやけ、太陽がこっちを見つめていることすらわからなくなる。口を動かしたら、声を出したら決壊してしまいそうで、思わず太陽に飛びついた。

「わ、私でいいの…?」
「おん。Aやないと、嫌。」
「も、ずるい……これじゃプレゼントじゃないじゃん」
「俺には十分…ていうか十分すぎるプレゼントやな。」

優しく私のことを抱きしめて頭を撫でてくれる。決壊させまいとしていた涙腺は虚しくも崩壊し、太陽が優しく涙を拭ってくれる。拭いながらも太陽が顔を覗き込むように近づいてきておでこを合わせてくる。鼻と鼻との距離が0になるくらいで泣き出す前ぶりに太陽と目が合った。そのまま太陽はやわらかく微笑むと私の唇を奪うのだった。








「…こんな幸せな誕生日初めてや」
「わたしも。」
「改めて、こらからもよろしくな?」
「うん、こちらこそ。…ふふっ」
「何笑ってるん、もう」

つられて太陽が笑う。そこではっとケーキの存在を思い出した。ケーキに視線を向けると太陽が食べよか、とケーキのロウソクを取った。こうして2人でちょっとぬるくなったケーキを笑いながら食べるのであった。

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結局遅刻しました……
タカシくん本当に誕生日おめでとうございます!
お気に入り登録などありがとうございます(;;)更新遅めですが、よろしくお願いします。

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設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

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