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「稜ちゃん、苦しいよ」
「んー、2週間分充電」
「ふふふ、稜ちゃん子供みたい〜」
「うるせえ」

そう言いながらも耳を真っ赤にさせているのがまた愛おしい。離れるとじゃあ言ってくるね、と言って家を後にした。大丈夫だといいんだけど。




Aがいなくなった部屋で1人と1匹の生活が突如始まってしまった。ここでうだうだしていてもどうにもならないので、今はAが出張に行ってしまったことを考えないように仕事へ出かけた。

仕事後、いつものつもりで帰宅し扉を開けると何一つ明かりがついていなかった。あ、そうか。A居ないんだった。

「ただいまー…」

とりあえず言ってみるけれども返事はなく、闇の中にただ自分の声が消えていくだけだった。明かりをつけリビングの扉を開けるとティアラがこちらに来てご飯を催促するような素振りをした。あ、そっかご飯もあげないといけないのか。

「ごめんな〜、お腹すいたよな。」

餌用のトレーを持ってふと気づいた。おやつを入れてあるところは知ってるけど、ティアラ用の飯ってどこに入ってんだ。

「ん〜、この辺かぁ〜?」

適当にそのへんを漁っているとそれらしいドッグフードがある。適当に封を切って目分量でよそうとティアラに差し出す。そんなことをしていると自分も空腹だということを思い出した。Aが今日はご飯冷蔵庫にあるからね、と言っていたので冷蔵庫を開ける。ラップにかけられたご飯と、料理が開けてすぐのところに置いてあった。何やら付箋がついていて、メッセージが書かれている。

【稜ちゃんへ
今日もお仕事お疲れ様
ご飯あっためてたべてね
コンビニ使いすぎ注意!
A】

そのメッセージに思わずため息が出る。明日から生きていける気がしない。こうして俺の2週間の地獄の一人暮らしが始まってしまったのである。

「明日はコンビニでいっか……明後日から頑張ろうな、ティアラ。」

晩御飯の後片付けを済ませ、そういえばいつも風呂はAが用意してくれていたんだと思い出す。湯に浸かりたい気持ちもわかるけど、面倒くささが勝った。シャワーだけで済ませてしまおう。

風呂から出るとまた1つ思い出す。洗濯も自分でやるのか…ことごとく家事を任せっきりにしていたんだなぁと実感する。ていうかいつやってたのっていう事が多すぎてAの手際の良さを改めて実感したのだった。カレンダーに目をやると帰ってくる日に丸がついていた。まだまだ先は長そうである。

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設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

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