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薬を飲んだ私を優しく抱きしめてくれる。よしよし、と掠れた優しい声がして背中を規則的なリズムでぽんぽんとしてくれる。佑亮の背中に手を回して首元に顔をうずめた。そうすると佑亮の笑う声がして優しく一緒に横になった。

「ほら、寝よ?」
「でも眠くないし、佑亮もかえっちゃうでしょ?」
「Aがよければ泊まってくし、寝るまでずっとここにいるよ?」

そう言いながら布団をかけてくれる。どうして熱が出たりするとこんなに人が恋しくなるんだろう。佑亮の大きい手が私の頭を撫でる感覚に、気づいたら眠っていた。



いつの間にか朝になっていて、カーテンから差し込む光に思わず目を細める。もぞもぞと隣に居るであろう佑亮の方に手を伸ばしたけど何も掴めなかった。帰っちゃったかな、と思い起き上がって辺りを見回す。なんだか寂しい気持ちになりながらもカーディガンを羽織ってリビングへ向かった。


ドアを開けると何やらキッチンから音がして、佑亮が料理をしていた。何やら真剣に野菜を切っているようで全く私に気づいていない。切り終えたことを確認してその背中に抱きつく。

「おわ!びっくりした…」
「んふふ、おはよ。」
「おはよう。昨日よりどう?」
「昨日よりはいい感じ、熱はかってくる。」
「うん。あ、キッチン借りちゃった。あと、いろいろ」
「全然いいよ、何作るの?」
「それはお楽しみ!Aは待ってて。」

そう言ってキッチンから押し出されるように背中を押される。仕方ないから体温計を片手にソファで待っていた。昨日からかなり熱も下がって、微熱くらいになっている。身体のだるさもだいぶ無くなってきた。

「おまたせ〜」

トレーを持った佑亮がキッチンから来た。トレーに乗せられていたのはどうやらうどんで、何やら野菜がゴロゴロ入っていた。

「おいしそう。ありがと」
「久々に料理したかも。」
「じゃあ味に期待だな〜、いただきまーす。」
「え、ほんと期待とかしないで!やめて!」

大きさのまちまちな野菜がなんだか愛おしい。頑張って作ってくれたんだろうなぁと思うと自然と頬が緩んだ。佑亮が自分ででも、まぁまぁでしょ?と言うからそんなことないよと微笑んだ。

「佑亮、今日お仕事は?」
「今日のお仕事はAの看病です。」

そう言ってニッコリと笑った。その後も慣れない家事をしてくれたり、何故か読み聞かせしてあげる!と自作ストーリーで笑わせてくれたりした。
熱を出すのも悪くないなと思ったのは内緒。

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設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

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