one wolf II (ページ7)

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深「だから俺は湧くんみたいにってことは考えないです。」

深「別にAちゃんがしたいようにすればいいと思う。でも別に突き放してるわけではないです。Aちゃんの気分でいいと思います。｣

竜｢俺はAちゃんのこと大切に思ってるんで。例え、Aちゃんが俺のことをただのメンバーとか仕事仲間としか思ってなかったとしても俺からしたらAちゃんは大切な人です。人をどう思うかなんて個人の勝手すよ。｣

ぼーっと床を見つめて、何を考えてるのか何を思っているのかは全く分からない。

｢私、別にみんなのこと大切に思ってないわけじゃない、でも時々分かんなくて怖い。｣

｢わくがいなかったら怖いし不安になってる自分がいや。｣

ってまた顔を伏せちゃったAちゃん。

やっぱり湧くんとの信頼関係って凄い。Aちゃんは殻が分厚いとかそんなんじゃない、何重にも何重にもなってその上それぞれの殻が分厚い。

拒否されたらそれでいいやと思った。背中にぽんと置いた手。
パフォーマンス中にAちゃんに触れることはあっても裏ではほとんどなくて、俺からAちゃんにしっかり触れたのは初めてだった。

びくっと驚くようにまた顔を上げたAちゃん。でも拒絶はされなかった。

竜｢ねぇ、俺さ、湧くんにはなれんけど、Aちゃんのとなりたまにこうして座ってもいい？｣

真っ黒だけど綺麗な瞳が俺の目とあえば、こくっと頷いたあとまた膝に顎を置いて遠くを見つめる。

ちょっとはAちゃんとの関係変われたかな。

湧『深田、最近Aどんな感じ？？』

湧『多分大丈夫じゃないからさ』

湧『深田ごめんだけどたまにちょっと気にかけてやって欲しい』

湧くんから俺に来るメッセージ。

湧くんが稽古始まる前に俺にお願いしてきたこと。

湧｢深田、ごめんだけど俺居ない間深田にAのこと頼むわ｣

深｢え、なんで俺なんすか。｣

湧｢深田ならAの気持ちちょっと分かんじゃねえかなって｣

深｢そんなの全く｣

湧｢深田のままで接してやって？それで大丈夫だから｣

俺とAちゃんの関係らしく。それでいい。

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