one wolf II (ページ5)

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檜｢挨拶しねぇじゃん、誰とも話そうとしないし、目も合わさねえし、ずっと機嫌悪いし、お前がそんなんだから楽屋の雰囲気最近悪いの気づいてんの？｣

檜山に正直Aのことどう思ってんのって何回も聞いたことがあるけどその度に｢別に｣とか｢まじ興味無い｣ってはぐらかされる。ただ、そうじゃないと俺は思ってる。

それじゃなきゃ、興味がないのこうやって怒ることもないだろうし。

｢別に元からこうじゃん。｣

檜｢最近、機嫌悪いの丸わかり、ガキかよ｣

｢もういい楽屋に居なきゃいいんでしょ｣

ってドアをバーンって閉めて出ていったA。

うん。そうなると思ってた。いつものパターン。でも違うのはここからAを追いかけて慰めて、檜山の話も聞いて仲直りさせる湧がいないってこと。

俺たち先輩組達が自然と目が合う。たぶんみんな同じことを思ってる。こういう時が今までになかったからこそ困惑する。でも同じメンバーだからこれからも一緒に歩んでいく仲間だからこそ、このままじゃいけないってこともわかってる。

皇｢檜山。あのさ。檜山の気持ちも凄いわかるよ。でもさ、Aも今湧いなくて寂しいしどうしたらいいんだろうって不安なこともあるんだと思う。だからさ檜山の言ってることは正しいし、間違ってないんだけど、ちょっと今はそっとしててあげて欲しい。｣

檜「でもさ最低限のやるべきことはさすがにあるじゃん。人として。」

渉「それはわかるよ。でもさ俺たちメンバーなんだからさ、黒瀬も別にそういうことをしようと思ってしてんじゃないと思うし、今はそれをわかって見守ってあげるのが1番かなって俺も思うよ。」

納得してないような顔だけど、何にも言わずに楽屋を出ていった檜山を見て、俺たちの思いは伝わったのだと認識。檜山のことちゃんと分かってるから。

で、ここで最大の問題。正直檜山を納得させることは俺達からしたらたまにすること。ただ檜山と喧嘩したAを慰めるのは誰もした事の無い未知の経験。俯いてたメンバーの視線も自然とあがって謎の空気感が楽屋に溢れ出す。

黒「Aちゃん連れ戻してくる」

こういう時にぱっとAのために行動できるのは確かに黒田。でも正直黒田がいくのが正解なのかわからない。

「いや、俺がいく」

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