one wolf II (ページ3)

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最初が違えばページ3

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k.ka

湧とAの関係はきっと忍者の中で一番深い。

同期とか年齢が一緒とかでもなくただ単にお互いを知り尽くしてる。

皇「あれ、Aどこいった？」

湧「あー、俺呼んでくるよ」

Aの事には敏感で、今の今まで巫山戯てたのに俺がAという名前を出した瞬間にすっと雰囲気の違った湧になる。

織「えー、どうするか、Aちゃんとかなんか意見ある？」

湧「A今考えてるから待ってやって」

会議の時もAの横に当たり前に座った湧。織山の質問に悩む時間もなくかえす。

皇「あれ、Aと湧はどこいった」

2人でいきなり消えて探しに行ったら、奥のソファーで特に話してる感じもなく肩が触れる距離で携帯をいじってるふたり。

この2人の空気は掴めない。

だから。

将「皇輝くん、Aちゃんと湧くんって付き合ってないんですか？」

そう、疑問に持つ子もおかしくない。

皇「付き合って、…ないとは思うよ」

正直なところ俺も分からない。付き合っていると言われたらうん。そうだよね。って信じるし、付き合ってなかってもアイドルだもんね。ってなるから。

ただ、きっと将来Aの横には湧がいるっていう想像はつきすぎている。

将「皇輝くんはAちゃんのこと好きにならなかったんですか？小さい頃から一緒で」

皇「好きだったのかな、俺もわかんないや」

小さい頃、Aにどきどきはした。でもそれが恋だったのか憧れだったのかはわからない。ただ、Aのそばに居ることに必死で自分しか見えていなくてAの気持ちなんてちっとも分からなかった未熟な俺。

今、あの時に戻ったらAの傍から離れなかったのに。なんて思っても過去に戻れることなんてできない。

皇「将聖は、守りたい子ちゃんと守んなきゃだめだよ」

将「俺も守りたい人守れなかったっていうか守りたい人の傍にはもうしっかり守ってる人がいました」

って珍しく大人な表情をする将聖にそれ以上何も言えることはなかった。

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