one wolf II (ページ20)

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k.ku

昨日からもやもやしてた気持ち。

事務所までの道で湧とAちゃんが歩いてるのを見つけて更にイライラモヤモヤしてた。

湧と今面と向かって話したら喧嘩になりそうだったから敢えて避けてたのにすぐ湧は俺とAちゃんが絡んでたら邪魔をする。

俺は邪魔してないのにむかつく。

だったのに、「黒田わたしジュース欲しいから奢って」って初めてのAちゃんからのおねだり。

かわいすぎる。

それだけで機嫌がなおっちゃう俺は単純すぎるかもだけど、それでもAちゃんがそばに居てくれたら満足なんだもん今は。

黒「はい！なにがいい？」

「んー、なににしようかな」

悩んでる横顔もかわいい、天才。

「見てんのバレてるよ」

黒「Aちゃんなんでそんなに視野広いの」

「普通でしょ笑」

笑う時口の前に手を覆うのもかわいい。

「これ！」

選んだのはオレンジジュースで、選ぶものまでかわいい。

下からでてきたオレンジジュースを渡せば「ありがと」って合う目。Aちゃんと目を合わせるのはなんだか恥ずかしい。だってかわいすぎるんだもん。

黒「Aちゃんはさ、俺のこと嫌い？？」

楽屋までの短い道。ただほんの少しの距離だけど2人でいれる時間が幸せ。こんなこと次いつあるかわからない。

さっきまで掴んでた左手をまた掴めば、今度はこっちをむくことはない。

「嫌いだったらこうやって一緒にいないよ、私嫌いな人とは関わりから消すタイプだから」

ってきっぱり言い切ったAちゃんはなんだか大人で年齢はひとつしか変わらないのに凄く大人に見えた。

届かないのも年齢のせいなのかな。

それとも俺が子供すぎる性格だから？？

「でもさ黒田はそのままがいいと思うよ」

「黒田に結構元気もらうしさ」

って一瞬ちらっとこっちを見ていい逃げするように楽屋に入っていくAちゃん。

一瞬見えた耳は真っ赤で心臓がバクバク言う。

黒「そんなのずるすぎだろ」

って嘆いた俺の独り言は静かすぎる廊下にはやけに大きく響いた。

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