one wolf II (ページ2)

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「昨日のことなかったことにして？」

そう確かに言ったA。

一瞬考えた。Aが泣いたことなのか。それとも俺がキスをしたことなのか。

でも、直ぐにわかった。Aのことなら1番にわかるよ。

湧「昨日のことはみんなには内緒にする。俺だけの秘密。」

湧「でも、言いたいことはそれじゃないだろ？」

少し屈んで覗き込んだ顔。目が合えばびっくりしたような顔をしたあと唇を噛む。

湧「痛いだろ」

指で触ったAの唇。

「わく、昨日ね、今日一緒にいてくれる？って言ったの｣

湧「うん、なぁに？」

「違うくて、ずっとがいい、ずっと一緒？」

かわいいほんと。今度は俺から背中にまわした腕をぎゅっとすればAは俺の首に手をまわしてくる

湧「当たり前じゃんずっと一緒だよ。ずっと変わんないって言ったろ？｣

「わくがいてくれるならもうちょっと頑張ってみる」

湧「なんかあったらいつでも呼んでいつでも泣いていいから、一人で我慢だけは絶対にすんなよ。」

できる限りAが崩れる前に気づきたい。でもそういかない時もあるから。なんたって隠し事がうまいAだから。

「、わく映画みよ」

湧「絶対泣くじゃん、笑」

泣きそうなA。案外涙脆いんだよこいつ。だってもう既に泣きそうだから、映画みよなんていってるんだから。笑

洗い物を済ませてソファーに腰掛けてたAの横に腰をおろした。

「ねね、わく？」

湧「ん？」

「ありがと」

それだけ言うと照れ隠しのようにブランケットで顔を隠したA。

不器用なAだけど俺はちゃんとわかってるよ。

その意味も込めてAの手をまたぎゅっと握った。

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