本日より歌って踊ります# 4【EXO】 (ページ3)

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全員「ハルがいるからだよ」ページ3

サイン会はあっという間に終わった

仮設メイクルームで衣装やメイクをしてこのまま収録に向かう
帰りのバスへの道も案の定混んでいたけど、これも慣れだと思って今度は一人で群の中に潜り込もうとしたら不意に首根っこを掴まれた

「なんだ、ジョンインか。ちゃんとサイン会起きてた？」
JI「ヒョン……馬鹿にしてる？」
ジョンインは不本意そうに眉をひそめる
普通に心配しただけなんだけどなぁ
そう捉えることもできる言い方だったかもしれない

「それでどうしたの？」
JI「俺が窓際座るからヒョンより先行った方が詰まんないかなと思って」
「あ、そうだね」
じゃあ先に行きなよ、と前を譲る
するとジョンインは私の手も引っ張って歩き出した

「え、ちょっと、ジョンイン？」
JI「…」
私の呼びかけを無視してずかずか割って入るジョンイン

絶対離さないという意志が込められた堅く結んだ手
…これは私のことを心配して手を繋いでくれてるってことでいいのかな？と素直じゃない弟の不器用な優しさを推し量るのはもう慣れたもんだ

バスの入り口で押し込まれるように中に入ってようやく一息つけた

GS「ハル、水飲む？」
「あ、ありがと…っ」
GS「扇いであげる」
「助かる…」
今夜の衣装は厚着気味だからあの人だかりの中をもみくちゃにされるのはかなり息苦しかったEXOの母でありながらEXOのオアシス…ギョンシスと呼ぼうかな…

席に着いてまた水を口に含んでからファンに手を振る
バスが走り始めても手を振り続け、ついに見えなくなった

JM「にしても今日は男性ファン多かったね～」
座席は行きと変わってセフンとジュンミョニヒョンが前に座っている

「そうなんですか？」
覚えてる限りでも30人は越えていたから全体に比べたら少ない方だ
SE「いつもの5、6倍はいまてぃたよね」
「そうなの？」
JM「僕たち男だからやっぱり女性ファンの方が多くてサイン会も男性はなかなか来ないんだ」

まあ、この蒼々たる美形を間近で見れるとなれば女の子の方が頑張るよね

「なんでまた今日は多かったんですかね」
JI「そんなの一つしかないでしょ」
寝ていたと思っていたジョンインがするっと会話に入り込む
私以外のみんなが頷いた
「え、何々？」
JI「教えたらつまんないから自分で考えなよ」

減るもんじゃないのに誰も教えてくれてなくて、あのセフンにさえもしかめっ面で教えたくないと振られた