処刑8 ページ9
部屋に入ると古くて少し埃も被っていたが、結構広くベッドもしっかりしていたので、泊まるには大丈夫そうだった。
「思ってた以上に大丈夫そうだねー!」
私はそう言いベッドにダイブした。
「フェイ!ふかふかだよー!」
気持ち良くてこのまま寝てしまいそうだ。
「はいはい、そのまま寝ないでね。」
フェイは呆れたように私を見た。
「あっ!ベッド1つしかないけど一緒に寝ても大丈夫...?」
私は不安げに彼を見上げた。
いくらベッドが広いといえ、お互い良い歳した異性と寝るのは嫌だろう。
「別に気にしてないから大丈夫だよ。」
彼はそう私に微笑みかけた。
「そっかー!良かった!!」
私はそう言いさっきお爺さんが言った言葉を思い出した。
「ねぇ、人狼っていると思う...?」
私は唐突に聞いた。
冗談だとしてもこの不気味な屋敷だとなんだかんだで怖い。
「まさか、いるわけないでしょ。」
そう言った彼は少し不安そうだった。
「でも、人狼がいたとしても2人だから怖くないね!」
私はそう微笑みかけた。
これは彼だけに言ってる訳では無い。自分自身にも言い聞かせてるのだ。
「そうだね!」
彼は安心したようにベッドに腰をかけた。
「それにしても今日は本当に疲れたね〜。」
そうして今日起きたことを思い出した。
今頃この屋敷を見つけなかったら死んでいただろう。本当に良かった。
「もう寝る?」
私はいつの間にかウトウトしていたらしい。彼は私の様子を見て電気を消してくれた。
「ありがとう、フェイ...。おやすみ。」
そうして私はすぐに眠りについた。
「おやすみ、A。」
それから深夜になり、私は急に目が覚め起きた。
「フェイ...?」
そこには隣で寝ていたはずの彼がいなく、不安になる。
フェイどこに行ったの...。
私はとりあえず彼の名前を呼んだ。
すると急にドアが開く音が聞こえた。
え...誰...まさか人狼!?フェイ!?どこなの!!
私は恐る恐るドアの方を見た。
「A?」
そこには私の名前を呼ぶフェイがいた。
「もう!フェイ!どこ行ってたの、驚かさないでよ!」
私は鳴り止まない鼓動を沈めるため、深呼吸をした。
「ごめん!トイレに行ってて。」
彼は申し訳なさそう言いベッドに入ってきた。
「はぁ、ビックリした!人狼かと思ったじゃん!」
私は彼の方を向きながら言うと、彼もこちらを向いた。
「本当にごめん!今度こそおやすみ。」
そう言って、私と彼は再び眠りについた。
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とらんぷ | 作成日時:2018年11月5日 23時