処刑15 ページ16
「君たちがいつまでもズルズルと引き摺っているからだよ。」
ロディはジェシカを睨んだ。
「それが可笑しいですの。第一、私は貴方を占い師だとまだ信じていませんの。」
ジェシカは挑発的にロディを見た。
「ほう?それはどうして。」
ロディも負けじとジェシカを見つめる。
「貴方が最初に人狼の存在について発言をしたことによって貴方の占い師への真目が上がりましたが、裏をかいて真目を上げようとしている狼にも見えましてよ。」
ジェシカはロディを睨みつける。
それにロディが反論しようとしたところ、
「いい加減にしなさい!」
バニラが目を見開き怒鳴り、辺りを見渡す。
「で、ですが...!」
ジェシカはバニラに対抗しようとする。
「確かに、姉が疑われてムキになるのも分かるわ。でもそんなに必死になられるとこちらも処刑されたくない狼に見えてしまうの。」
バニラは至って冷静に話を続ける。
「だからもう少し周りの声にも耳を傾けてあげなさい。それに関してはロディくんも同様よ。少しばかり思考をロックしすぎてるのではないのかね?」
バニラはロディの方を向き見つめる。
ロディは申し訳なさそうな顔をした。
「ここはリリアンちゃんに仕切ってもらう、というのはどうかしら?」
バニラがそう提案した。みんな、バニラの意見に反対は無いようだ。
リリアンは少し荷が重過ぎると言った顔をしているが、
「分かったわ...。絶対に人狼を処刑して見せるわ...。」
と、前を見つめた。
「私はサンドラちゃんの意見も聞きたいわ。」
そうリリアンは言ってサンドラに優しく問いかけた。
しかし、サンドラは無言で俯いたままだった。
私も疑いたくはないが、サンドラではないか...?という思考が過った。
「ね、姉様...。」
ジェシカは泣きそうな顔でサンドラを見ている。
「黙ってるのは困るわ。こっちだってサンドラちゃんを疑いたくないのよ...。」
リリアンも悲しげにサンドラを見る。
「.....。」
それでもサンドラは沈黙を続ける。
話をする気が無いのか、それとも疑われて人間不信になり話せないのか...。
「これ以上話さないようだったら、処刑するのはサンドラちゃんに決まるわよ...。」
リリアンは苦しそうにそう言った。
「い、嫌だ...。」
サンドラは小さいがハッキリと聞こえる声でそう言った。
「い、嫌だ!!死にたくない!」
サンドラはボロボロと泣いた顔で皆を見つめた。
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作者名:とらんぷ | 作成日時:2018年11月5日 23時